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ページ20

途中までは上手くいっていた。
Aの誤算は、太宰を中盤で追放できなかった事と、
彼が最終日の夜で市民サイドを襲撃せず、延長戦に持ち込んだ事だった。






『まあ、この際どうでもいい』







ゲームといえど、本気でやる。
敦を騙したのは申し訳無かったが、彼はもう少し人を疑った方がいい。







「Aちゃんが、妖狐」







「これで三つの陣営が揃った訳だ。
いやぁ、泥沼、ここからが面白そうだねぇ」








「…まずい」








鏡花があることに気づく。
Aは僅かに口角を上げた。







「このままだと、私達は負ける」








「えっ、なんで…」







「敦君、もうここまできたら云ってしまうけれど、
私は人狼だ、そして彼女は妖狐、市民陣営は二人。
妖狐の勝利条件は市民と人狼、どちらかのチームが決着をつけた時生き残っていること。
私に投票すれば市民陣営の勝利で、妖狐である彼女の一人勝ちだ」








「な…えぇ!?」







「更に云えば、彼女を吊るしても道連れが発動して私か、市民陣営の誰かが死ぬ。
君達が欠ければ私の勝ち、市民陣営の勝率は恐ろしく低い」







つまり、ここまで来れば妖狐の勝利は目に見えているのだ。







「…あーあ、やっぱりこうなった」








部屋の様子を見ていた乱歩は嘆息する。
悪役も真っ青の地獄の選択を突きつけたAは、小さく笑っていた。







「A、アイツ本当にえげつないな…」








「敦達がAを吊るしても道連れが起こるし、
太宰を吊るしてもAは一人勝ち…こりゃあ悪魔的だね」







「Aさん、心なしか生き生きしてますわ…」








「わぁ、僕騙されました!」








悪魔よろしく微笑んでいるAに、皆散々なことを口にする。







「ま、占い師である敦が押さえられた時点で市民陣営はほぼ負けが確定したからな」








「だとすると、Aを吊るしての確立勝負か…いやでもそうすると太宰が勝つ可能性が」








皆誰が勝つか予想を始め、そうこうしている間に投票時間になった。








「敦、鏡花、太宰さん吊るそ」







「二人とも、Aちゃんに投票しよう」








悪魔二人は善良な市民に囁く。
二人は「悪魔だ…」と泣きそうになりながら投票に移った。







「投票結果を発表します」








春野の声に、部屋の中だけでなく外も静まり返った。







「結果は…」








数秒後、歓声が響き渡った。

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もこすけ(プロフ) - anonimas594さん» 恥ずかしさが上回り、凶暴化する小泉なのでした。ご質問ありがとうございました。 (2019年12月22日 19時) (レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)
anonimas594(プロフ) - なるほど可愛らしいところもあるけどそれ故に凶暴なんですね!返答ありがとうございました。 (2019年12月22日 18時) (レス) id: ae39e9e256 (このIDを非表示/違反報告)
もこすけ(プロフ) - anonimas594さん» コメントありがとうございます。はい、ききます。ですが本人も理解しているので近づかれた瞬間相手は宙を舞うでしょう。あと場合によっては殴られるので誰も小泉にやろうとしません。 (2019年12月22日 15時) (レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)
anonimas594(プロフ) - コメント失礼します!ものすごく気になったことなので質問します。小泉ちゃんって脇腹ききますか?! (2019年12月22日 13時) (レス) id: ae39e9e256 (このIDを非表示/違反報告)
もこすけ(プロフ) - 姫歌さん» ありがとうございます。私もとても楽しかったです。またコラボしましょう。ありがとうございました! (2019年8月17日 20時) (レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:もこすけ | 作成日時:2019年6月16日 20時

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