＊ ページ15
死亡者は谷崎とナオミ。
一晩で二人も死んだ事実に会議は騒ついた。
「二人…！？何で二人も！？」
「人狼は一晩に一人しか襲撃できないはず…」
「まさか谷崎が…」
皆が混乱するのも理解できる。
だが、Aに云わせればこの事態は"やろうと思えば可能"だ。
「まったく、お前らは莫迦だなぁ。
よく考えてみなよ、この二人死亡は、三パターンであり得る事態だ」
乱歩が呆れたようにため息をつき、そう答えた。
「まず一つは、どちらかが人狼の襲撃に遭い、そしてどちらかが妖狐だった。
そうすれば、占い師の占いにより妖狐は呪殺され死亡する。
二つ目はどちらかが妖狐、そしてどちらかが人狼であった場合。
妖狐は襲撃の際、人狼を道連れに出来るからね」
乱歩の説明に、賢治は「なるほど！」と手を叩く。
国木田が何処か気まずそうな顔をした。
「三つ目…最悪なのは二人が恋人だった場合だ。
もし恋人なら襲撃の際にもう片方も死ぬ。
そうなれば…市民サイドは重要役職を二人同時に失う事を意味する」
シン、と場が静かになった。
もし二人が恋人だったとしたら、
市民サイドは四人、人狼サイドは三人。
「まあ、考えても仕方ない。
重要なのは自称占い師二人の占い結果だ」
Aは事前に敦から占い結果を聞いている。
いや、というよりも昨晩の時点で敦に占って欲しい相手を指名していた。
「二人とも、占い結果は」
Aはちらりと国木田の方を見た。
まともにゲームについて来れていない彼には悪いが、
"ここらで退場して"いただこう。
「谷崎さんは人狼ではありませんでした」
そして、退場した谷崎も利用させて貰おう。
「私は昨晩谷崎さんを占いましたが、結果はシロ、人狼ではありません」
「…国木田は？」
「俺は鏡花を占いました。結果はシロで…」
どちらもシロ。
だがここでは国木田は"クロ"として退場してもらわなくては。
「国木田さん、もしかして貴方、人狼サイドですか？」
一世一代の賭けに出た。
いや、と云うよりほぼ確信していた。
「なっ…国木田さんが！？」
「俺は違う！何を根拠に…」
「"なら何故、先程『まさか谷崎が』なんて云ったんですか"？」
国木田の顔色が変わる。
獲物が罠にかかった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 700人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
もこすけ(プロフ) - anonimas594さん» 恥ずかしさが上回り、凶暴化する小泉なのでした。ご質問ありがとうございました。 (2019年12月22日 19時) (
レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)
anonimas594(プロフ) - なるほど可愛らしいところもあるけどそれ故に凶暴なんですね!返答ありがとうございました。 (2019年12月22日 18時) (レス) id: ae39e9e256 (このIDを非表示/違反報告)
もこすけ(プロフ) - anonimas594さん» コメントありがとうございます。はい、ききます。ですが本人も理解しているので近づかれた瞬間相手は宙を舞うでしょう。あと場合によっては殴られるので誰も小泉にやろうとしません。 (2019年12月22日 15時) (レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)
anonimas594(プロフ) - コメント失礼します！ものすごく気になったことなので質問します。小泉ちゃんって脇腹ききますか？！ (2019年12月22日 13時) (レス) id: ae39e9e256 (このIDを非表示/違反報告)
もこすけ(プロフ) - 姫歌さん» ありがとうございます。私もとても楽しかったです。またコラボしましょう。ありがとうございました！ (2019年8月17日 20時) (レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：もこすけ
| 作成日時：2019年6月16日 20時
