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突然だが、目の前に未来の自分の娘が現れたらどう思うだろう。
それも人目をひくような美少女で、"変なジサツ癖"がある娘を。







「…ねぇ、Aちゃん」








「………なに?」








「あの子…僕ちょっと心当たりが」







「キノセイダトオモウ」







「…どこか見覚えのある癖毛、飄々とした態度、貴女とあの人に似た顔…そしてジサツ癖…」







「鏡花お口チャック」







「あっ、あの木は首吊りやすそう…」







キラキラした目で縄を首にかける少女を全力で止める。
…どうしてだろう、このやり取りは毎日のようにやっている気がする。







「あの子…顔がなんとなく太ざ…」







「いいか敦、この世界には顔立ちの整った男は五万といるし、
変なくせ毛を持った男も、変なジサツ癖を持った男も少数ながら存在する」







Aの手が、敦の肩に食い込む。
その目はマジだった。







「いいか、目の前の情報だけで判断するのは良くない。
判るな?判ったら返事」







「…でも」







「それ以上云ったら投げ飛ばすからな」







とうとう敦が口を閉じた、鏡花も口を押さえた。
云わせてはいけない。
あの少女が"探偵社にいるあの男"に似ているなど。








「あっ、あのビルから飛び降りたら一発で死ねそう…」







「やめなさい」








「あ、今のは冗談だよ?人に迷惑をかけないクリーンなジサツが私の信条だもの」







「…うん」







その信条、聞き覚えがあるなど云わない。
誰とは云わないがあの男も同じことをいっていた。







「お母様もね、お父様のジサツ癖に手を焼いてて」







「お父様の、ジサツ癖…」







「そうそう、そろそろ愛想尽かされれば面白いのに。
職場の先輩後輩だったからって昔から同居してたらしいし」







「先輩後輩…同居…」








「その上、成人したお母様になんやかんや理由つけて婚姻届にサインさせて」







「な、なんやかんや理由をつけて!?」







「うふふごめんね嘘だよ、半分ね」








公開されていく情報に心当たりがありすぎた。
Aは途中、三回ほど頭を電柱にぶつけた。
落ち着け、平常心だと。







「お母様」








美しい少女が"あの人"と良く似た、悪巧みをするような笑みを浮かべた。
細い人差し指を赤い唇に当て、うっそりと微笑む。






「さて、私のお父様は誰でしょうか…?」







逃げることを許さない瞳で、美しい悪魔が微笑んだ。

*→←あの娘は誰の子? [有栖様リクエスト]



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もこすけ(プロフ) - あさん» ご指摘ありがとうございます。その通りでございます。直しておきます。ありがとうございました。 (2021年11月8日 17時) (レス) id: 102f3088ed (このIDを非表示/違反報告)
- すみません、「あの娘は誰の子?」の小雪ちゃんのセリフで「私は過去から来たんだよ」と言っていますが「未来」の間違いではないでしょうか私の勘違いや解釈違いであったら申し訳ありません (2021年11月7日 17時) (レス) @page32 id: b7271b87d8 (このIDを非表示/違反報告)
もこすけ(プロフ) - ワンコソバさん» 折角のお話、申し訳ありませんでした。応援のお言葉、ありがとうございます。これからも頑張りますので、応援よろしくお願いします。 (2019年5月5日 13時) (レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)
ワンコソバ(プロフ) - そうでしたか…。残念ですが、それからのもこすけさんが書く作品を楽しみにしてます!頑張ってください!(^○^) (2019年5月4日 20時) (レス) id: c31389e4fc (このIDを非表示/違反報告)
もこすけ(プロフ) - ワンコソバさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます。そういった応援はとても嬉しいです。リクエストなのですが、現在締め切っております。他作品とのコラボも、基本的にご本人様からのリクエストのみ受け付ける形となっています。折角のお話なのに、申し訳ありません。 (2019年5月4日 18時) (レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:もこすけ | 作成日時:2019年4月6日 19時

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