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花見は静かに行うものです(?) [桜様リクエスト] ページ23

春真っ只中の今日。
ヨコハマの桜も満開になり、窓から見える景色に淡いピンクがうつりはじめた。





「お花見に行きたいですね〜」







春の暖かな日の中、賢治がぼんやりと呟いた。
確かに、最近仕事漬けでまともに休んでない気がする。






「ちょっと行ってみない?」







そう云ったのは誰だっただろうか。
いや、この際誰でもよかった。
要するに今が暇だったのだ。







「うわぁ、凄い!満開ですねー!」







「平日だから人も少ないですね」








ヨコハマの隠れた桜の名所に探偵社員は来ていた。
見渡す限りの桜色。
舞い散る花びらが青空によく映えていた。








「あっ、あそこに黒髪の美女が」







「A」







「はい」







「ごふっ」







さりげなくナンパしに行こうとする太宰。
それを察知した国木田がAに指示すると彼女は太宰の腹に肘打ちを入れた。
花見でのトラブルは避けたかった。






「花見で女性トラブルは勘弁してください」






「お前、前に太宰のトラブルに巻き込まれて刺されたからな」







「全治二週間のところを与謝野先生のお陰で一時間特別コース」







「その前は?」







「依頼人の恋人の浮気現場に遭遇して依頼人庇って相手ぶん投げたら警察沙汰」







「一回お祓い行ったら?」







花が舞い散る中血なまぐさい会話をしていると、ふと敦の足が止まった。
どうしたのだろうと思っていると、視線の先、花見をする集団に見覚えがあった。







「やたら黒い服…周りにいるガードマン…見覚えのある顔…よし、帰りましょう」







トラブルの予感を察知してAは元来た方向に戻ろうとする。
敦も同意見のようで、コクコクと頷いた。







「やーいチビ」







「莫迦!!」








関わらないようにしてたのに、太宰が相手の集団に絡みに行った。
太宰の挑発に、背が低い男がかみつく。







「なんで手前がここに居やがるクソ太宰!!」







「太宰さん…!」








「おや、鏡花もいるではないか」








「げっ、小泉A…!」








花見をしていた集団、ポートマフィアとバッチリ目が合い、Aは頭を抱えた。
中也をはじめ、首領の森、芥川や樋口、紅葉や梶井、黒蜥蜴の面々が揃っている。







「…げっ?」








「あ、悪ぃ、違うんだよ」








絡むつもりは無かったが、げっと云った立原の方をじっと見つめると、彼は涙目で首を振るのだった。

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もこすけ(プロフ) - あさん» ご指摘ありがとうございます。その通りでございます。直しておきます。ありがとうございました。 (2021年11月8日 17時) (レス) id: 102f3088ed (このIDを非表示/違反報告)
- すみません、「あの娘は誰の子?」の小雪ちゃんのセリフで「私は過去から来たんだよ」と言っていますが「未来」の間違いではないでしょうか私の勘違いや解釈違いであったら申し訳ありません (2021年11月7日 17時) (レス) @page32 id: b7271b87d8 (このIDを非表示/違反報告)
もこすけ(プロフ) - ワンコソバさん» 折角のお話、申し訳ありませんでした。応援のお言葉、ありがとうございます。これからも頑張りますので、応援よろしくお願いします。 (2019年5月5日 13時) (レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)
ワンコソバ(プロフ) - そうでしたか…。残念ですが、それからのもこすけさんが書く作品を楽しみにしてます!頑張ってください!(^○^) (2019年5月4日 20時) (レス) id: c31389e4fc (このIDを非表示/違反報告)
もこすけ(プロフ) - ワンコソバさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます。そういった応援はとても嬉しいです。リクエストなのですが、現在締め切っております。他作品とのコラボも、基本的にご本人様からのリクエストのみ受け付ける形となっています。折角のお話なのに、申し訳ありません。 (2019年5月4日 18時) (レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:もこすけ | 作成日時:2019年4月6日 19時

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