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可愛らしい喫茶店、女子が多いそこに、何故か成人男性が二人いた。
本来なら訝しげな視線を浴びる所だが、この二人、恐ろしく見目が整っている。
そのせいか女性達は頬を赤らめ二人を見つめている。
そしてなにより、そんな二人と共に座っているのか人形のように可愛らしい少女。
兄妹か、子連れかと噂される中、三人はくだらない会話を繰り広げていた。







「なぁ、マジで何も食わねぇのか」







「嫌だねぇ金に物云わせる男って」







「ツケ払わずに二十万突破した貴方よりはマシです」







「あーあーあー聞こえないぃぃぃ!」







ツケ未払い男が叫ぶ。
そんな光景を冷たい目で見つめていると店員がご注文は、と聞いてくる。
すると、中也はAが答えるより先に注文を終えてしまった。







「あの…やっぱり奢られるのは」







「良いんだよ」







「お姉さーん、私、高級チョコレートケーキとブランド珈琲でぇ」







「手前は自分で払えや」








相変わらず仲悪いな、とAはげんなりした顔をする。
それにしても、この体は不便だ。







『手は小さいし背も低い、力だって半分以下』







黒い髪をくるくると弄りながらうーん、と頬に手を当てる。
その姿に太宰は「可愛い」と呻き、中也は自分の頬を殴った。






「そう云えば」







太宰が珈琲を飲みながら口を開く。
Aは何故か甘いものが平気になった為、小さい口でケーキを食べながら首を傾げた。







「あの異能者、捕まえる算段は立ってるの?」







「あぁ、それですか…。勿論、三日以内に捕まえて異能特務課に引き渡します」







クイッと口元をナプキンで拭いて、Aは云いきった。
その目は殺気に満ちており、中也が「やべぇ」と目を伏せる。
その時、Aの携帯が鳴り響いた。







「失礼します」








そう云って席を立つA。
彼女が居なくなると、訪れるのは沈黙。
すると、太宰がおもむろに携帯で何かを調べ始めた。
何調べてやがる、と中也は携帯を横目で見る。







『光源氏計画、うまくいく方法』








瞬間、中也は太宰の顔面を机に叩きつけた。







「手前まじで死ね!!」







「冗談なのに…半分」








「よぉし死にたいんだな?殺してやるよ」








その後、戻ってきたAが二人を置いて外に出るまで喧嘩は続いた。

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もこすけ(プロフ) - 白織さん» コメントありがとうございます。あの二人は小泉も混ざるとかなりカオスになります。もう少し続くのでお楽しみに。 (2019年1月6日 18時) (レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)
白織 - リクエストありがとうございます!最初からカオスで笑いました。これからどうなるのか楽しみです! (2019年1月6日 17時) (レス) id: a1083074eb (このIDを非表示/違反報告)
もこすけ(プロフ) - 雪豹さん» コメントありがとうございます。中也さん、混乱して語彙力低下してますね。笑っていただけて良かったです。 (2019年1月6日 17時) (レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)
雪豹(プロフ) - 中也の「…ごめんちょっと訳判らねぇや」で、吹いた(ノ∀≦。)ノ (2019年1月6日 17時) (レス) id: 5c79542a8a (このIDを非表示/違反報告)
もこすけ(プロフ) - 玲衣さん» コメントありがとうございます。制服で夜の街を歩いたせいで太宰さんが死ぬほど職質を受けた事件です。危ない絵面に見えたのでしょう…。 (2019年1月4日 20時) (レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:もこすけ | 作成日時:2018年12月9日 11時

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