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「…幼児化の異能、か」
「はい」
自分が異能をかけられたことを説明すると、中也は微妙な顔をしつつ納得した。
元相棒を蹴っ飛ばした時の顔はなかなか鬼気迫るものがあり、
サラッと彼の首領が幼女趣味だと聞いた時は耳がおかしくなったかと思った。
「そうか…悪かったな」
「いえ…」
「蹴られ踏まれ、挙げ句犯罪者扱いされた私への謝罪は?」
「しゃ、ざい?」
「初めて言葉を覚えたロボットみたいな反応やめてムカつく」
「子どもかアンタ達」
何処までも仲が悪い二人にAはくだらない、と近くのベンチに座る。
「つーかよ!手前は近くにいたのになんで止めなかったんだよ!!」
「止めたよ!でも相手がすごく足速かったんだもん!!」
「何が、もん!!だ気色悪ぃ!!」
ギャンギャン云いあっていると、太宰はハッとした。
幼い少女に声をかける、怪しげな男の姿。
「幼女趣味!!」
手を引かれているのはA。
彼女の顔は男をゴミのように見つめているが、さりげなくその手にはナイフが握られているあたりやる気を感じる。
やる気ではない、殺る気だ。
「いいかいAちゃん」
「はい」
「君は今可愛い女の子なんだ」
「気持ち悪…」
「その目をやめなさい、メンタルにクる」
「はい」
「ついでに云うけど、拳銃やナイフを使うのは相手が手を出してからにしなさい。
やった後のことは心配要らない、私がどうにかする」
Aは思った、この人本気だと。
中也もさりげなくあそこに沈めるのが確実だと余計なことを云っている。
「よし、今日の仕事はやめにして遊びに行こう」
「えっ」
「大丈夫、適当に国木田君に押し付けるから、というかもう押し付けた」
「人でなし」
太宰はニコニコと笑いながらAの手を引いて歩き出す。
その瞬間、周りの人から見えない位置で、太宰の体に刃物が突きつけられた。
「変な真似したら殺すからな…」
「いやん、怖い」
「中也さんここ往来、人がいるところです」
「A、こいつ危ないからな」
「知ってます」
「目的の為なら手段選ばねぇからな」
「知ってます」
「知ってるか、こいつ惚れた相手、手に入れる為なら結構エグいことを」
「中也ストップ」
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もこすけ(プロフ) - 白織さん» コメントありがとうございます。あの二人は小泉も混ざるとかなりカオスになります。もう少し続くのでお楽しみに。 (2019年1月6日 18時) (レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)
白織 - リクエストありがとうございます!最初からカオスで笑いました。これからどうなるのか楽しみです! (2019年1月6日 17時) (レス) id: a1083074eb (このIDを非表示/違反報告)
もこすけ(プロフ) - 雪豹さん» コメントありがとうございます。中也さん、混乱して語彙力低下してますね。笑っていただけて良かったです。 (2019年1月6日 17時) (レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)
雪豹(プロフ) - 中也の「…ごめんちょっと訳判らねぇや」で、吹いた(ノ∀≦。)ノ (2019年1月6日 17時) (レス) id: 5c79542a8a (このIDを非表示/違反報告)
もこすけ(プロフ) - 玲衣さん» コメントありがとうございます。制服で夜の街を歩いたせいで太宰さんが死ぬほど職質を受けた事件です。危ない絵面に見えたのでしょう…。 (2019年1月4日 20時) (レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もこすけ | 作成日時:2018年12月9日 11時