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探偵社とマフィアの会合。
非公式で、軍警にも知られぬそこで、
ポートマフィア代表尾崎紅葉とその護衛中原中也。
探偵社代表太宰治とその護衛小泉Aと中島敦。
少し張り詰めた空気の中、なんとか話は進んでいたのだが、
注目すべきはその後ろ、立っている中也とAの顔色だった。






『だから悪かったって!忘れてたんだよ!!』







『なんでよりによって探偵社との会合を忘れるんですか、太宰さんにバレたら恨みますよ』






入れ替わりがバレたらまずい。
中也の体のせいで、少し力を入れるだけで床が軋む。
正直、紅葉に会合に行くぞと肩を掴まれた時は中也を恨んだ。
しかもさっきから歩き方やら足の開き方が男っぽい。
やめろ、それ以上足を開くな、下品だぞと叫びたくなる。





「ところで姐さん、今日のAちゃん可笑しいんだよ〜」






突然の太宰のぶっ込みにAは勿論、中也も目を見開いた。






「なぁんか別人みたいって云うかー。
珈琲もいつもは砂糖なんて入れないのに入れるしさぁ」






『うわ、勘付かれてる』






歩き方や話し方は一応似せたつもりだった。
それでも判る者には判る、それも元相棒の太宰ならば。






「そうかえ…確かに少し雰囲気が違うのう…。
そう云えば中也も今日変なのじゃよ。
部下達が可笑しいと噂しておったわ」






これやばい。
流石は現マフィア幹部と元マフィア幹部。
観察眼が凄まじい。
焦りを悟られないように双方知らん顔をする。






「…まあいいや、Aちゃん、ナイフ貸して」






「は…?」







その瞬間、太宰はAのスカァトを捲り上げた。
恐らく太もものホルスターからナイフを取り出そうとしたのだろうが、そんなこと当人は知らない。






「ッ、このクソ変態青鯖があぁぁぁ!!」







「ああぁぁぁああ!なにしてるんですか!?」







Aの体で、中也は太宰を蹴り上げた。
だがそれは受け止められ、代わりにいやらしい笑顔で太宰は笑った。
中也の体で力を込めたせいで床が凹んだ。






「やたら乱暴なAちゃんとやたら大人しい中也。
おっかしいと思ったんだよねぇ。
なぁんか君見てるとムカムカしてくるから」






あぁ、やられた。
双方を怒らせて、本性を暴き出す。
太宰らしい、合理的で嫌らしい作戦だ。







「で、詳しく聞かせてもらおうか」







その瞬間、二人は膝から崩れ落ちた。
クソ野郎、と心の中で叫びながら。

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もこすけ(プロフ) - nino=sakuさん» コメントありがとうございます。怪談、いかがでしたか。実際に遭遇したくはないですね…。 (2019年3月26日 18時) (レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)
nino=saku(プロフ) - 主人公の怪談夜中に読んでたので普通に怖かったですw (2019年3月26日 0時) (レス) id: 2561bedadd (このIDを非表示/違反報告)
もこすけ(プロフ) - 凛さん» コメントありがとうございます。わざわざ有難いお言葉感謝します。もう少し続きますので、お楽しみに。 (2018年12月7日 23時) (レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)
- リクエスト受けてくださって本当にありがとうございます!作品とても楽しみです! (2018年12月7日 14時) (レス) id: 9fddac5d14 (このIDを非表示/違反報告)
もこすけ(プロフ) - みぃちゃん,mさん» コメントありがとうございます。小泉のボーカル、見たいてますね。これから登場しますので、お楽しみに。 (2018年12月7日 10時) (レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:もこすけ | 作成日時:2018年10月28日 18時

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