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そろそろ与謝野に縛られて地獄の治療を受けている頃だろうか。
中也の体でAはそんなことを考えつつ、階段をおりていく。






『お互いの組織の秘密には触れないって事にはなってるけど…地下って多分捕虜とか居るよな…』






出勤してから誰かに疑われることは無かったが、途中で会った立原に
『うぉう!!ちゅ…中也さん…なんか…寒気が…』と云われたのはヒヤリとした。
何故だろう、彼は自分を死ぬほど怖がっているがここまでくると才能だ。
ふむ、も唇に手を当てながら考えこむ。






『なんか今日の中也さん…色気があるよな』






『判る、儚い感じがあるというか…』






元から年不相応の色気があったA。
中也になってもそれは健在である。
黒服の部下たちがそんなことをコソコソ話しているとは知らずに。
階段を降りていくと、黒い扉の前で部下が止まり、ここかと理解する。
扉を開けると、予想通りの光景が広がっていて内心、畜生と叫んだ。






『これ…拷…問…だよな…』






錆びた椅子に座る、猿轡をつけられた人物。
壁に飛ぶ赤黒い血に、用意されたそれ用の道具。
つまり、最悪な事に今日の中也の仕事はこれらしい。






『中也さん、これ、どうしよう』







同時刻、中也は窮地に立たされていた。
チラリと視線を後ろにやると、気の弱そうな同期の人虎が困ったように笑う。
いや、手前、困った顔で笑うなよ、これどうしろってんだ。






『A、悪いが太宰の代わりに犯人の事情聴取をしてくれないか』






目の前でふてぶてしく頬をつく犯人に、中也はイラッとしてつい、殴りそうになった。
元相棒の仕事を押し付けられた怒りも含めて。







『事情聴取って殴るのありだよなァ…』







マフィア的思考回路になる中也は女の体での力加減を考え始める。







『A…俺はどうすりゃいいんだ…』







双方、相手から情報を聞き出すという仕事にぶち当たった。
片方はマフィア幹部と入れ替わった思考回路が若干過激な元女子高生。
片方は探偵社社員と入れ替わったバリバリの武闘派マフィア幹部。
どちらもやろうと思えばやる、だが立場上やったらアウト。







『『どうしよう』』







マフィアと探偵社。
相反する組織で窮地に立たされた二人はなにを選ぶのか。

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もこすけ(プロフ) - nino=sakuさん» コメントありがとうございます。怪談、いかがでしたか。実際に遭遇したくはないですね…。 (2019年3月26日 18時) (レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)
nino=saku(プロフ) - 主人公の怪談夜中に読んでたので普通に怖かったですw (2019年3月26日 0時) (レス) id: 2561bedadd (このIDを非表示/違反報告)
もこすけ(プロフ) - 凛さん» コメントありがとうございます。わざわざ有難いお言葉感謝します。もう少し続きますので、お楽しみに。 (2018年12月7日 23時) (レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)
- リクエスト受けてくださって本当にありがとうございます!作品とても楽しみです! (2018年12月7日 14時) (レス) id: 9fddac5d14 (このIDを非表示/違反報告)
もこすけ(プロフ) - みぃちゃん,mさん» コメントありがとうございます。小泉のボーカル、見たいてますね。これから登場しますので、お楽しみに。 (2018年12月7日 10時) (レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:もこすけ | 作成日時:2018年10月28日 18時

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