素敵帽子と魔女の娘のシャッフル［ゼロレール様リクエスト］ ページ1
そのは、二人は急いでいた。
片方は上司のジサツを止めていたせいで、片方は立場上の厄介な敵に絡まれたせいで。
どちらも仕事に遅れそうで、近道である路地を走っていた。
それも双方かなりのスピードで。
「遅れる…！」
「チッ、やべぇ…！」
いつもならこちらに向かってくる足音など直ぐに判った。
だが急いでいたせいでそれすらも気づかず。
「え」
「あ」
ガツン！！
出会い頭にぶつかった。
片方は吹っ飛び、片方はその場で尻餅をついた。
体格差もあるが、背が低い男より背が高めの少女の方が吹っ飛んだ。
暫く二人は痛みにうずくまっていたが、暫くするとハッとして起き上がる。
「済みません、急いでて…」
「いや、悪ぃ、こっちも急いでたんでな…」
その時、二人は同時に「え？」と素っ頓狂な声をあげた。
吹っ飛ばされた方、黒髪の少女は焦ったように喉にふれ、
尻餅をついた方、帽子の男は驚いたように自分の体を確認する。
「なんっだこれぇぇ！！」
少女がその見た目に似合わない声をあげる。
「俺…Aになってんのか…！？」
「私…中也さんになってる…」
中也は唖然とした、いつもより高い声と視界に。
Aは唖然とした、いつもより低い声と視界に。
『もしかして俺たち』
『私たち』
『『入れ替わってるー！？』』
少し前にヒットしていた映画のような台詞を心で叫ぶと、
双方顔を見合わせ、男の方が立ち上がり、少女の手を引いて何処かへと向かう。
向かった先はカラオケボックス。
目付きの悪いどう見てもカタギではない男と、
やたら見目が良く不思議な雰囲気の少女の組み合わせに店員は疑うような目を向けてきた。
だがそれを気にする余裕は二人には無く、部屋に入るなり静かに向かい合う先に座った。
「…なぁ、これ現実か？」
黒髪の少女が男のような口調で向かいの男に問う。
スカァトなのに足を広げて座る姿に男は目だけで足を閉じろと命令すると口を開いた。
「信じたくないですが…現実です」
帽子から茶髪がのぞく男が丁寧で平坦な口調で返す。
お互い、地を這うようなため息をつくと顔を上げた。
「俺ら入れ替わってるんだな…」
「そうみたいですね…」
A改め中也と中也改めAは嫌という程見てきた自分の顔を見つめ、再び地を這うような息を吐いた。
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もこすけ(プロフ) - nino=sakuさん» コメントありがとうございます。怪談、いかがでしたか。実際に遭遇したくはないですね…。 (2019年3月26日 18時) (
レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)
nino=saku(プロフ) - 主人公の怪談夜中に読んでたので普通に怖かったですw (2019年3月26日 0時) (レス) id: 2561bedadd (このIDを非表示/違反報告)
もこすけ(プロフ) - 凛さん» コメントありがとうございます。わざわざ有難いお言葉感謝します。もう少し続きますので、お楽しみに。 (2018年12月7日 23時) (レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)
凛 - リクエスト受けてくださって本当にありがとうございます！作品とても楽しみです！ (2018年12月7日 14時) (レス) id: 9fddac5d14 (このIDを非表示/違反報告)
もこすけ(プロフ) - みぃちゃん，ｍさん» コメントありがとうございます。小泉のボーカル、見たいてますね。これから登場しますので、お楽しみに。 (2018年12月7日 10時) (レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もこすけ
| 作成日時：2018年10月28日 18時
