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擦り寄ってきた猫は人懐っこかった。
「可愛いな」
自分の口から女の子らしい甘い声が出てハッとする。
急いで辺りを見回すが人は見当たらなく安堵した。
こんな姿見られた日には社の窓から飛び降りる自信がある。
「でも私だって猫とか好きなんだよ」
常に無表情というか、厳しい顔をしているせいかよく『気が強い』だの『クール』だの云われる。
いや間違ってはいない。
事実、気はかなり強い方だと思うし冷淡な部分もある。
だが一応十八歳の乙女なのだ。
猫が可愛いと思うのは普通だろう。
「にゃおん」
「可愛い…肉球柔らかい…」
ピンク色の柔らかな肉球をぷにぷにと押す。
黒猫しか触れなかった十八年が報われた気がした。
「聞いてよ三毛猫…私本当に友達がいなかったんだよ…」
「にゃあ」
「『小泉さんは私達とは別次元の人だね』って、なんだそれ嫌味かって。
あとそっちから突っかかってきた癖に『は？』って云っただけで泣くのやめろよ…。
なんだそんなに怖いかこの顔が」
相手が猫なのをいいことに溜まっていた鬱憤を吐き出す。
「お母さん譲りのはずなのにそんなに怖いか。
キツいとか睨むと怖いとか云われるけどそこまでかな。どう思う三毛猫よ」
「にゃぁん？」
「それに私は天才じゃないし、努力はしてるんだよ。
確かに一回やれば大抵は出来るけど
勉強も運動も慢心せず頑張ってるのに 『小泉さんはなんでも出来るからいいよね』って。
ふざけんな鼻に金平糖詰めてやろうか。
それについてどう思う三毛猫よ」
「うにゃぁん」
「私も判らないよ」
首を傾げた猫と同じように首を傾げる。
柔らかな肉球を触りながらふと呟く。
「でも…今は理解してくれる人達がいるからいい。
変人揃いの場所だけど、毎日が凄く輝いて見える」
ここまで素直に話せるのは相手が猫だから。
本来ならこんなこと絶対に口にしないだろう。
「今は幸せだにゃー…なんて」
上機嫌なせいかいつもなら絶対にしない猫言葉が口から出た。
すると、それを聞いていた(？)猫が突然膝から逃げた。
あ、と追おうとすると、猫が逃げた方から声がした。
「お主が小泉Aか？」
「…え」
先ほどまで聞こえなかったはずの声がする。
座る自分を見下ろす男にAは素っ頓狂な声をあげた。
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もこすけ(プロフ) - 有栖さん» リクエスト承りました。嬉しいお言葉ありがとうございます。 (2018年8月13日 6時) (
レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)
有栖(プロフ) - リクエストです。薬か何かで小泉ちゃんが5歳くらいになって、武装探偵社で天然笑顔や、寂しがり屋を披露して太宰さんの事をお兄ちゃんって呼ぶって感じのお願いします!!!!!多めですみません！この作品めっさ好きです！ (2018年8月12日 23時) (レス) id: e65e94b2de (このIDを非表示/違反報告)
もこすけ(プロフ) - ゼロレールさん» リクエスト承りました。わざわざコメントありがとうございます。感謝します。 (2018年8月6日 22時) (レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)
ゼロレール(プロフ) - リクエストいいでしょうか？以前にやった幼い太宰さんの逆トリと同じで、幼い中也さんの逆トリお願いします。後、前回コメントができず、すみませんでした。リクエストは無理でしたらスルーでも構いません。よければ宜しくお願い致します。 (2018年8月6日 22時) (レス) id: 3e587b9082 (このIDを非表示/違反報告)
もこすけ(プロフ) - 千晴さん» こちらこそありがとうございます。 (2018年8月6日 17時) (レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もこすけ
| 作成日時：2018年7月22日 21時
