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どちらが女性にモテるかと云う、割と最低な理由で外出して数十分。
美形二人が街を歩いているのでまあ視線が集まる集まる。



「ねぇ、声かけちゃう?」



「嫌だよー絶対相手にされないから…」



そんな女性の会話を聞きつつ、太宰は隣を歩くA青年に視線を移した。
母親似の、とてつもない美形だ。
いや、自分だって負けてない、負けていない、はず。



「あのぅ、すみません」



勇気を出した女性二人組が話しかけて来て、太宰は内心ガッツポーズを決めた。



「どうしました、お嬢さん」



「あの、暇でしたらこれから何処か行きませんか?」



「おや、それは嬉しいお誘いですね」



『計画通り!!』



太宰の心の中で新世界の神が笑う。
美しい笑みを浮かべた太宰に女性二人は頬を赤らめる。
見たかこれが経験の差だ、と悪役のようなことを心の中で叫ぶ。
すると、Aが二人の前に歩み寄った。



「すみません、これから仕事でして」



無表情で告げたAに女性達は判りやすく肩を落とした。
その対処にまだまだ子供よのう、と内心高笑いをするが、Aの行動はまた違った。



「また、お会いできたらその時はよろしくお願いします」



全くの無表情から、ほんの僅かに笑った。
ナオミ直伝『無表情からのスマイル攻撃(特訓時間二時間)』である。



「は、はいッ!楽しみにしてます!」



「ありがとうございます」



「あ、あのッ、お名前を伺っても…?」



『あれ、おかしいな、さっきから私眼中にすら入ってない』



完全に除外された太宰は表情が無になる。
対して、女性に名前を聞かれたAは目を瞬かせ、そしてお辞儀をした。



「小泉と申します。以後お見知り置きを」



ナオミの指導により女の時に比べ柔らかくなった物腰に女性達は黄色い悲鳴をあげた。



「それでは失礼します。太宰さん行きますよ」



頬を赤らめボーッとする女性をおいて、Aは太宰を引っ張って立ち去った。



「どうするんだい、あれ絶対君に惚れたよ」



「…初対面の女性に敵意を抱かれなかった…これはいける…」


「珍しく同性に好印象を持たれて嬉しいのは判るけどよく考えたまえ。
君今男だからね!それを頭に入れてね!!」



「…あ」



すっかり忘れていたAは綺麗な顔で素っ頓狂な声を出した。
それすらも絵になり、太宰は頭痛すら覚えた。

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もこすけ(プロフ) - 有栖さん» リクエスト承りました。嬉しいお言葉ありがとうございます。 (2018年8月13日 6時) (レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)
有栖(プロフ) - リクエストです。薬か何かで小泉ちゃんが5歳くらいになって、武装探偵社で天然笑顔や、寂しがり屋を披露して太宰さんの事をお兄ちゃんって呼ぶって感じのお願いします!!!!!多めですみません!この作品めっさ好きです! (2018年8月12日 23時) (レス) id: e65e94b2de (このIDを非表示/違反報告)
もこすけ(プロフ) - ゼロレールさん» リクエスト承りました。わざわざコメントありがとうございます。感謝します。 (2018年8月6日 22時) (レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)
ゼロレール(プロフ) - リクエストいいでしょうか?以前にやった幼い太宰さんの逆トリと同じで、幼い中也さんの逆トリお願いします。後、前回コメントができず、すみませんでした。リクエストは無理でしたらスルーでも構いません。よければ宜しくお願い致します。 (2018年8月6日 22時) (レス) id: 3e587b9082 (このIDを非表示/違反報告)
もこすけ(プロフ) - 千晴さん» こちらこそありがとうございます。 (2018年8月6日 17時) (レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:もこすけ | 作成日時:2018年7月22日 21時

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