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あまりの声に耳を塞ぐ。
「Aさん、社長好みなんですか!?」
「詳しく聞かせな!面白くなってきた!」
「教えて」
ずいっと迫ってきた三人に引き気味に下がる。
「男性はあれぐらい落ち着いた大人の人がいいなってだけ。
社長だから別に特別な想いは持ってないしあの中だったら社長がいいかなって…」
素直に白状すれば何故か与謝野とナオミは天を仰いだ。
鏡花は「大人の余裕…」と呟く。
「アンタが歳上好きなのは知ってたけど…大人のレベルが高すぎじゃないかい…」
「女子高生とその歳の男性との組み合わせは…色々まずいですわ」
そんなにまずいものかと追加で注文したジンジャーエールを飲む。
「でも若い人はあんまり…」
「話は聞かせてもらった!」
いきなり個室の襖がパァンと開かれた。
お前は道場破りかと聞きたくなるくらいの威勢にギョッとする。
そこに立っていたのは、非常に見覚えのある紅色の着物を着た女だった。
「いや、なんでここにいる」
「偶然呑みに来ていたら隣から聞き覚えのある声と面白そうな話が聞こえてきてのう」
着物の女、尾崎紅葉は袖で口元を隠して微笑んだ。
その後ろから樋口が覗き込み、「探偵社!」と叫びかけて銀に口を塞がれた。
「マフィアも女子会すんのかい」
「当たり前じゃ、まあそろそろ話題が尽きてきてのう」
「じゃあどうせなら参加したらどうだい。
今どんな男がタイプかって話してたんだよ」
「ありがたく参加させてもらおう」
与謝野と紅葉のみで勝手に話が進められ、急遽探偵社女子会はマフィア混合の女子会に変貌を遂げた。
どうしてこうなった、と対面に座るマフィマ勢を見て思う。
「それで?お主は大人の男が好きなのかえ?」
「いや、好きって云うか…落ち着いた人が好みで」
「なんか…捕まりそうですね」
「マフィアがそれを云うか」
樋口のツッコミを容赦のないツッコミで返す。
銀が同意するように頷いていたのも見逃さない。
「そう云う貴方達はどうなんだ、私だけ云うのは不公平だ」
「鏡花、飲み物はいるかえ」
「聞けよ」
流石はマフィア。
不利な状況になる前に逃げた。
そしてそこから一つ学んだ。
女子とはズル賢い生き物なのだと。
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もこすけ(プロフ) - 有栖さん» リクエスト承りました。嬉しいお言葉ありがとうございます。 (2018年8月13日 6時) (レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)
有栖(プロフ) - リクエストです。薬か何かで小泉ちゃんが5歳くらいになって、武装探偵社で天然笑顔や、寂しがり屋を披露して太宰さんの事をお兄ちゃんって呼ぶって感じのお願いします!!!!!多めですみません!この作品めっさ好きです! (2018年8月12日 23時) (レス) id: e65e94b2de (このIDを非表示/違反報告)
もこすけ(プロフ) - ゼロレールさん» リクエスト承りました。わざわざコメントありがとうございます。感謝します。 (2018年8月6日 22時) (レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)
ゼロレール(プロフ) - リクエストいいでしょうか?以前にやった幼い太宰さんの逆トリと同じで、幼い中也さんの逆トリお願いします。後、前回コメントができず、すみませんでした。リクエストは無理でしたらスルーでも構いません。よければ宜しくお願い致します。 (2018年8月6日 22時) (レス) id: 3e587b9082 (このIDを非表示/違反報告)
もこすけ(プロフ) - 千晴さん» こちらこそありがとうございます。 (2018年8月6日 17時) (レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もこすけ | 作成日時:2018年7月22日 21時