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続55話 ページ6

ハイスピードスポーツには必ず予備動作がある。
如何なる選手でもそれは当たり前に存在する。
しかし、ナッシュ・ゴールドにはそれがなかった。









「予備動作がない…そんなことあるの?」









橙山が藍澤に問う。
藍澤は考え込むように口元に手を添えた後、
悔しげに呟いた。









「やはりあの男はストリート選手らしくない」









「おぉ、そこに気づいたか」









景虎の言葉に藍澤は頷く。









「ストリートバスケは、どちらかというと派手な…

観客を魅了するようなパフォーマンスが特徴なんです。

なのでストリート育ちの選手は派手な動きを、

スピードやパワーで戦う場合が多いんです。

事実、ジャバウォックはその傾向が見られる」









ストリートバスケはエンターテイメント感、
つまりはパフォーマンス性が高いバスケだ。
技というより力で勝負するもの。









「でもナッシュ・ゴールドは違う。

無駄を捨てて洗練され、緻密に考え抜かれ、

まるでバスケエリートの技術のようなバスケ。

…感じていた違和感はこれだったんです」








舌打ちをしたい気持ちを抑えて唇を噛む。
試合では、黒子のパスを受け取った火神がダンクを決めようとした。









「駄目です、あれは止められます…!」









シルバーの強いブロックでボールが弾かれる。
そしてナッシュがボールを持つ。









「ッ、来る!」









またしてもナッシュのパスにより、虚を突かれ、
たやすくボールがシルバーに渡される。
シルバーが紫原を吹っ飛ばすほどのダンクを決めた。









「嘘、まだ本気じゃなかったの…?」









悲鳴に似た声に包まれる会場。
すると橙山が「むー君!」と声を上げた。
弾き飛ばされた紫原の頭から血が流れたのだ。









「ふぅーナッシュのおかげで一気にやりやすくなったぜ。
思うぞんぶん暴れさせてもらうぜ。

覚悟しとけよクソ共、、全員残らずブッつぶしてやるよ」









今まで感じてきた野性の中でも桁違いの感覚。
まるで、獣を食う恐竜のようなレベルの野性。









「本当に…規格外にもほどがありますよ」









口元を引きつらせながら呟く。
これは、本格的にまずい。
敗北という文字が色濃くなってきた。

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もこすけ(プロフ) - ミオさん» コメントありがとうございます。ひっそりと書いていました。嬉しいお言葉をありがとうございます。これからも頑張ります。 (2020年5月11日 19時) (レス) id: 102f3088ed (このIDを非表示/違反報告)
ミオ(プロフ) - 黒バスも書かれていたんですね……とても面白かったです。どの作品もしっかり考えて作られていて、すごいと思います。これからも頑張ってください! (2020年5月7日 19時) (レス) id: 244e2b34cf (このIDを非表示/違反報告)
もこすけ(プロフ) - 今井 明希さん» 読んでくださりありがとうございます。少しずつ頑張らせていただきます。応援、ありがとうございました。 (2020年5月1日 12時) (レス) id: 102f3088ed (このIDを非表示/違反報告)
今井 明希(プロフ) - 昨日と今日でいっき読みしちゃいました、、、続編おめでとうございます!続き頑張ってください!待ってます!! (2020年4月30日 0時) (レス) id: d714c1a6ae (このIDを非表示/違反報告)
もこすけ(プロフ) - ややるるさん» コメントありがとうございます。そう言っていただけて嬉しいです。 (2018年7月7日 0時) (レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:もこすけ | 作成日時:2017年3月9日 16時

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