【黒バス】藍色少女の噂話 EXTRA GAME 2

続66話 ページ17

他の策はある？
【冷たい眼】を使う以外に策はあるのか？








「お父さん…この状況での生半可な作戦は

焼け石に水をかけるのと同じです。

試合の流れを変える…そんな大きな作戦が必要です」









「分かっているさ、だがそのためにお前一人が

とんでもない負担を抱える必要はないと言っているんだ」









「…どういうことでしょう」









「なに、簡単なことさ。

お前の【冷たい眼】はフルで使うことにより、

大きな負担、つまりはAへの負荷になる。

だが【冷たい眼】を半分だけ使用することで

負荷をなくし、尚且つ最善の手を考えるということだ」








【冷たい眼】を半分だけ使用する？
それはつまりフルで使用することなく、
"もう一人の自分"を抑え込むということ。
半分だけなら負荷は少なくできる。







「ですが…

負荷を完全になくすことは不可能です。

この【冷たい眼】を使用している時点で

負荷は必ず生まれますし、そもそもの問題、

【冷たい眼】を半分だけ使用するなんて無理です。

半分だけ使ったところで最善策は見いだせません」








「そうだね、確かに不可能だ。

だがそれはお前一人だった場合の話」







「私一人…？」









父はAの言葉に頷く。









「お前は一人じゃない。

それは生まれた時からそうなんだ。

Aと日奈が生まれた日、

お前達はまるで鏡写しのようにそっくりだった。

気がつくと、生まれて間もなく、

目も開いていないのに互いの手を探して、繋いでいた。

手が離れると火がついたように二人とも泣いたよ。

その時に私は思った。

お前達は二人で一人、一心同体なのだと。

二人ならどんな苦しみも乗り越えられると、ね」









Aと日奈。
同じ血を、同じ運命を持った二人の少女。
彼女達は確かに二人で一つの存在だった。









「A、日奈」









「はい」









「はいッ」









双子なのに違う返事の仕方。
それでも二人は双子だった。









「【冷たい眼】を持つA。

【光の眼】を持つ日奈。

…いいかい。

その二つの力をお互い半分ずつ使うんだ。

足りないところは互いに補い合う。

大丈夫、きっと成功する。…できるね？」









父の言葉に二人は顔を見合わせ、そして言った。









「「はいッ！！」」

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