【黒バス】藍色少女の噂話 EXTRA GAME 2

続62話 ページ13

イチャついている黄瀬と愛しの妹を横目に、
藍澤は試合に集中する。
ジャバウォックスタートのボールを目で追っていると、
ナッシュと赤司が対面した。









「残念だったなぁ…これでまた状況は元通りだ。

ムチャして一時的にがんばったところで

結果は変わらねぇのによぉ。

無意味な努力ご苦労様だぜ」









ナッシュはまだ気づいていないのだ。
今の赤司が先ほどとは違うのだと。









「今度は自分の心配をした方がいい」









あの赤司の前で慢心するなど、
自分なら怖くてとてもできない。









「来ます」









瞬間、ナッシュがパスしようとしたボールが赤司の手に弾かれる。
バウンドしながらボールはコート外に出た。









「絶対は僕だ。頭が高いぞ」









思わず背筋がぞくりとした。
あの全てを見透かすような眼に本能が震える。









「……」








この試合の前、赤司が皆を呼び出して話をしていた。
それはナッシュを倒すためには【天帝の眼】が必要だということ。
試合中に人格が入れ替わるかもしれないこと。
藍澤もそれを聞いていた。








「赤司君は赤司君でしょう。

何も変わりませんよ」









話を聞かされた仲間は赤司は赤司だと言った。
今更そんなことを気にしない。
そう言っているようだった。








「赤司さん、貴方の人格ならそれは紛れもなく

赤司 征十郎でしょう？今更気になさらないでください」









「……そうだな。ありがとう」









そして、彼の言った通り、人格は入れ替わった。
それに伴い、【天帝の眼】の使用が可能になり、
ナッシュに対抗できるようになった。









「アウトにしてしまったか。

久しぶりでつい気が逸ってしまったな。

まあいい…次は殺る」









凄まじい迫力に鳥肌が立つ。
いつの間にか黄瀬のケアを終わらせていた橙山が
もう一人の人格の赤司を見て呟く。









「本当に凄い迫力…」









「そうっスね。けど、味方となれば

今の赤司っちほど頼れる存在はいないっスよ…！」








【天帝の眼】を持つ赤司の存在は大きい。
ナッシュのバックチェンジにも迷いなく反応した。
ナッシュはそこから高速でボールを動かし、
シュートを決めようとした、が。









「今の彼には通用しません」









ボールは撃たれることなく、弾かれた。
そして、赤司の反撃がスタートする。

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