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TALE9 ページ9

『はぁ、はぁ…なんとか逃げ切れたな』

フラウィ「お疲れさん」



『フラウィ貴様、あのモンスターたちの存在に気付いて…』

フラウィ「うん。バカな君はまんまと木の上によじ登ったってわけ

でもこんなに早く逃げ出しちゃうなんて…残念」


僕が何をしたって言うんだ



『はぁ…皆幸せそうだったな…』

フラウィ「流石君だ。自分の心配より周りの心配」

『僕は別にいいの!』




その時、ふと、ポケットの中で何かが震える感触がした

携帯が鳴って居たのだ




『キャラかな…?』



しかし鳴っていたのはスマホではなく、おもちゃの様な携帯

以前地下で使っていた物だ

此処数年、一度も誰とも繋がらなかったのに

更に相手の名前を見て、凍りついた



『…サ、ンズ…?』



何回か、モンスターたちから着信があった事はある…それもかなり昔に

けど、サンズからはなかった

きっと、僕がパピルスを殺したことを憎んでの事だろう

でもなんで…

考えている間にも急かす様に着信音は鳴り響く


暫くして、音が途絶えた




フラウィ「良かったのか?」

『…うん、もういいよ』




来た道に背を向ける


リーン♪


引き止める様に、雰囲気に似つかわしくない音が響いた

留守電の着信音だ


フラウィと顔を見合わせ、留守電に耳を傾ける





《もしもし》





長らく聞いて居なかった声

サンズの声だった





《あー、がきんちょ、お前…だよな?》

(うん)




彼方の声は聞こえても、此方の声は届かない

分かり切ってるのに、返事をしてしまう





《オイラさ、今皆と金色の花の花畑にピクニックに来てんだよ》

(知ってるよ)



《そこによ、お前さんが居た気がしたんだが…》

(気の所為じゃないよ)





彼はそこで一旦言葉を切った





《お前さん、今、何処にいる》



《…皆、お前を探し回ってる》



《だから…》



《…》



《まぁいい、その気になったら、連絡くれよな》





『あっ、』






呆気なく、切れた

切れてしまえばそれまでだ

携帯をポケットになおす




フラウィ「いい加減、会いに行ってやったらどう?」


『はは、冗談言うなよ、もう人殺しは御免だ

もう、そんな事…』



息が詰まって、胸が苦しくなってしゃがみ込む

言葉は続かない

景色が歪んで視界が狭まる




フラウィ「えっ、ちょっと…」



フラウィは困ったような顔をした

彼はフードから出て地面に立つと



暫く、そのままで居てくれた

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すー、 - 文スト×アンテ!?発想の天才か… (2021年11月24日 16時) (レス) id: afa1133b59 (このIDを非表示/違反報告)
血烏累音(プロフ) - ハロさん» ありがとうございます! (2019年10月5日 12時) (レス) id: e3a4ad10df (このIDを非表示/違反報告)
血烏累音(プロフ) - ハロさん» 神作品なんて初めて言われました (2019年10月5日 12時) (レス) id: e3a4ad10df (このIDを非表示/違反報告)
ハロ(プロフ) - 久しぶりにアンダーテールの神作品を見た!!面白いです、頑張ってください!! (2019年10月4日 23時) (レス) id: d9c85b7b29 (このIDを非表示/違反報告)
血烏累音(プロフ) - 腐った草さん» ありがとうございます!!!丁度コメント欄が寂しかったんですよ・・・! (2019年8月19日 12時) (レス) id: 128ab8f1ad (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:chizomeと___。 | 作成日時:2019年8月9日 19時

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