雛鳥の足跡…61こ ページ14
そんな中ノックの音とともにマルコが顔を出し、白ひげの腕の中にいるAを見付け、いたいたと呟く。
｢髪を綺麗に整えてやると言ってた。船医室に来いだってよい｣
まぁ！とAは目を丸くして立ち上がり、白ひげの頬に可愛らしく唇を寄せて、行ってきますとその手から飛び降りた。
こちらに手を広げて落ちてくるAを見て、は！？と驚くマルコだったが難なく受け止める。
しょうがねぇなと苦笑しつつ抱き上げたまま、白ひげの部屋を後にした。
｢可愛い娘にキスをしてもらったご感想は？｣
｢悪くねぇなァ｣
ナースにそう言われ、白ひげはグラララと満足気に笑った。
翌日の夕方頃、マルコに連れられて昨日訪れた畔へとやって来た。
夕陽で赤くきらきらと輝く海が一望できるそこの一角に見えるのは…
｢墓標…？｣
そう呟いたAの頭をするりと撫でる。
昨日レナの話を聞いた白ひげが、こうしてやりたいと旧友に頼み込めば快く承諾してくれたと。
おれ達で作ってみたんだが、どうだい？と、とても柔い顔でマルコは言った。
マルコの言葉を聞いて、ぐしぐしと手の甲で目元を擦り始めたAの腰を、グッと引き寄せてやった。
落ち着いた頃、そっと墓標の前に膝をつく。
｢お姉様、姉様、お義兄様、たくさんの愛情をありがとう。こんな私についてきくれたみんなも本当にありがとう。絶対に忘れないわ。おやすみなさい…行ってきます｣
そう最後の言葉を交わせば、ふわりと温かな風が、頬と額を擽る。
まるで、頬を撫でられ、額に口付けを落としてもらったような感覚…。
それにまた涙が出そうになったが、グッと堪える。
これからはもう、皆を思い出して泣いたりしない…。
思い出した時は笑って話すのだと、心に決める。
｢私の大事な人たちのために、ありがとうございます｣
立ち上がってマルコにそう言って微笑めば、もう涙は流れてないというのにそっと唇で目元を拭われる。
唇を離した後、墓標へと頭を下げたマルコにAは息をのむ。
それに習いAも頭を下げた。
するりとAの指にマルコの指が絡んで、歩き出す。
そうしてAは、新たな家族と共に新しい道へと旅立って行った。
さようなら、皆…さようなら、私…。
ここからまた新たに歩きだそう…よろしくね、皆…よろしくね、私…。
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もふもふ子(プロフ) - ミクリさん» いえ、とんでもない！くっつく時を楽しみにしててください(*^^*) 本当に！マルコさんはどんなデートをしてくれるんでしょうかね。しっかりと計画する派か、その時の気分で行く所を決める派か…うん、マルコならどっちでもよい(*´艸`) (2023年3月1日 14時) (
レス) id: 3d96900827 (このIDを非表示/違反報告)
ミクリ - もふもふ子さん» ちゃんとした恋人になるストーリーは決まってたんですね！失礼いたしました（汗その時が楽しみです♪マルコとデート本当にしてみたい…ｗ (2023年2月28日 18時) (レス) id: dfbdb02535 (このIDを非表示/違反報告)
もふもふ子(プロフ) - ミクリさん» もう恋人のような関係ですが、本当に恋人になるタイミングは一応考えてあるんです〜( ^ω^)デートですねっ。じゃあ考えていたお話にプラスして考えてみます(˶'ᵕ'˶ )︎ (2023年2月28日 7時) (レス) id: 3d96900827 (このIDを非表示/違反報告)
ミクリ - もふもふ子さん» クリスマスと内容が被ってしまうのでしたらいっその事どこかの島でバレンタインデートしちゃってください！！ｗなんならその番外編デートで恋人になっちゃっても良いですよ(/ω＼)既に恋人のようないちゃラブ具合ですが…ｗ (2023年2月26日 18時) (レス) id: dfbdb02535 (このIDを非表示/違反報告)
もふもふ子(プロフ) - いつもコメント下さりありがとうございます！番外編ばかりで申し訳ないです。バレンタインのお話はクリスマスに書いたお話と似てるな…と思ってやめちゃったんです( ᐛ )似ててもいい！ともし需要がおありでしたら、大遅刻ですが書かせて頂きます(*^^*) (2023年2月24日 20時) (レス) id: 3d96900827 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もふもふ子 | 作成日時：2022年9月27日 23時
