雛鳥の足跡…7つ ページ7
｢喋る許可も貰ったし、今日は親父んとこ行くか｣
そう言って連れてこられたのはまた大きな扉の前。
前回同様、凄く大きな圧倒されそうな気が漂い今日はその中にいくつかの気も混じっている。
何だろうとAは思いつつマルコが扉を開けば、中央に鎮座する白ひげの両脇縦一列に、強い気の者たちがずらりと並ぶ。
その迫力ある光景に萎縮し身を固めれば、取って食いやぁしねぇよと前と同じセリフでグラグラと笑われ、少し力が抜けた。
ずらりと並ぶ面々は、1600人ものクルーを纏めるいつくかの隊に別れた隊長たちだとマルコが教えてくれ、白ひげの前に置かれた椅子へと座らせてくれた。
｢身体の具合はどうだ？｣
｢おかげさまで、この通りです白ひげ様｣
一礼して、白ひげを見上げる。
｢改めまして、私はA、A・ファータと申します。見ず知らずの異端な者をこの船に乗せて頂き、また手厚い看護や美味しい食事など、丁重なもてなしをありがとうございます｣
Aはそう言って立ち上がり、床へと片膝を着く。
胸に右手を当て、左手は男や騎士であればマントを、女であればドレスの裾を摘むような仕草で頭を垂れた。
Aの世界の、国の、最上級の礼の型を白ひげへと贈る。
立ち上がったAを慌てたマルコが椅子に戻し、ナースどもに怒られるぞと言われた。
それは…怖いな。
｢グララ。大事な息子を助けてもらったんだ、当たり前のもてなしだなァ。むしろ足りねぇくらいだ｣
おれ達は海賊だ、そんな綺麗に礼をしてもらうような柄じゃねぇよと、大きな指で頭を撫でられ、白ひげは大声を上げ笑った。
それを機に、四方八方から感謝の声が飛ぶ。
テンガロンハットを被った青年はマルコだせぇと呟き、拳骨をもらっていた。
なんていうか…自由だなって、思う。
｢でも、マルコさんを助けたのは、ただの私のエゴです｣
｢じゃあオマエをもてなすのも、ただのおれのエゴだなァ｣
そう言われ、揚げ足を取られたようでAはきょとんとしてしまう。
オマエがどんな理由でマルコを助けたのなんかはどうでもいい。
大事なモンを助けてもらった、その事実だけでいいのだと言った白ひげの瞳の奥はとても優しく、Aは素直に頷いた。
不意に大きな手で摘みあげられ、白ひげの膝へと置かれた。
ビックリして落ちないようピタリと背を白ひげの腹へ預ければ、隊長たちの顔がよく見える。
よく世話になっているサッチは手を振り、マルコと目が合えば、にやりと優しく微笑んでくれた。
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もふもふ子(プロフ) - 如月さん» ありがとうございます(*ˊ˘ˋ*) (2022年10月6日 22時) (
レス) id: 3d96900827 (このIDを非表示/違反報告)
如月(プロフ) - もふもふ子さん» かわいいから問題無しです！！ (2022年10月6日 19時) (レス) id: 4efb850e8a (このIDを非表示/違反報告)
もふもふ子(プロフ) - 如月さん» 幼女な夢主さんが好きで来られた方々には紛らわしい題名ですよね…申し訳ないです… (2022年10月6日 13時) (レス) id: 3d96900827 (このIDを非表示/違反報告)
如月(プロフ) - 雛鳥って書いてあるから子供かな？って思ったけど成人してたわ (2022年10月6日 12時) (レス) @page7 id: 4efb850e8a (このIDを非表示/違反報告)
もふもふ子(プロフ) - thmrt1214さん» ありがとうございます！このお話でマルコさんをもっと好きになって頂けて大変光栄です！続編は大人のお話を入れ込んでいきますので、未成年の方は閲覧できないように設定している、ということでごさいます。 (2022年9月27日 23時) (レス) id: 3d96900827 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もふもふ子 | 作成日時：2022年9月17日 4時
