雛鳥の足跡…44こ ページ45
｢…すまねぇ、お前に怒ってるわけじゃねぇよい。無事でよかった｣
ふとマルコを纏う殺気が和らぎ、Aの肩に入った力が抜けた。
そのあとそっと横向きに抱き上げてやれば、安心したのか頭を肩口へと擦り寄せてくる。
微かに震える身体に、ギリッと音が立つほど歯を食いしばった。
｢クルーたちを助けてくれありがとうよい｣
｢いいえ、お世話になっている船の方ですもの。当たり前のことをしたまでです｣
｢…だからといって身を売るようなことをする必要はねェ｣
｢そ、そんなことしませんよ！連れて行かれた先に他に仲間がまだいるとは思わなくて｣
誤算だったんですとAは眉を下げ、武器が持てれば造作もない人数だったと肩を落とし笑う。
きっと怖かっただろうに、務めて明るく話すAにマルコは眉をひそめた。
船に戻れば、着替えてゆっくり休んでおけとAを部屋に押し込んで、マルコは不死鳥へと姿を変え、元来た道を飛んで行った。
ミンチになったのを見届けて船に戻り、Aの部屋をノックすれども返事がない。
寝ているのかと思いそっと扉を開くが奥のベッドには姿がなく、シャワー室から水が滴る音がする。
その音の中に、嫌だと、気持ち悪いと、触らないでと呟く震える声が聞こえ、まさかと勢いよくシャワー室を開けばそこには、床にへたり込み水をかぶるAの姿。
その裸体の上半身には可哀想なほどの無数の赤が散らばっていて、胸元は掻き毟られ血が滲み、その姿にマルコは目が離せなかった…。
｢A、お前…なんだそれは｣
こちらを見るAの目は、見られてしまったというような驚きと恐怖の色を宿していた。
｢ぁ、い…やだ、見ないでっ｣
｢未遂だと、言わなかったか？｣
｢みっ、未遂です！痕を付けられただけで、最後までされたわけではありません！｣
｢最後までされた、されてねぇっていう問題じゃねえ！知らねぇヤツにそこまでされて、怖かったはずだろ！なんで黙って、隠してんだ！！｣
｢た、確かに怖かったです…。でもっ、マルコさんの姿を見て、抱き上げてもらったら安心できて…｣
そう言ってぽろりとAの目から涙がこぼれ始めた。
チッと舌打ちしシャワーの栓を捻り水を止め、そばにあったバスタオルをひったくりそれにAをくるんで抱き上げた。
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もふもふ子(プロフ) - 如月さん» ありがとうございます(*ˊ˘ˋ*) (2022年10月6日 22時) (
レス) id: 3d96900827 (このIDを非表示/違反報告)
如月(プロフ) - もふもふ子さん» かわいいから問題無しです！！ (2022年10月6日 19時) (レス) id: 4efb850e8a (このIDを非表示/違反報告)
もふもふ子(プロフ) - 如月さん» 幼女な夢主さんが好きで来られた方々には紛らわしい題名ですよね…申し訳ないです… (2022年10月6日 13時) (レス) id: 3d96900827 (このIDを非表示/違反報告)
如月(プロフ) - 雛鳥って書いてあるから子供かな？って思ったけど成人してたわ (2022年10月6日 12時) (レス) @page7 id: 4efb850e8a (このIDを非表示/違反報告)
もふもふ子(プロフ) - thmrt1214さん» ありがとうございます！このお話でマルコさんをもっと好きになって頂けて大変光栄です！続編は大人のお話を入れ込んでいきますので、未成年の方は閲覧できないように設定している、ということでごさいます。 (2022年9月27日 23時) (レス) id: 3d96900827 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もふもふ子 | 作成日時：2022年9月17日 4時
