雛鳥の足跡…38こ ページ39
｢寝れねェか？｣
しばらく経っても寝息へと変わらない呼吸に呼び掛ければ、薄らと目を開け頷く。
タオルをまた水に浸し額に乗せ、椅子へと戻ろうと思えば袖を掴まれてマルコは苦笑し、そのままベッドへ腰掛けそばにいてやることにした。
水桶に手を浸して冷たくなった手を、今度は暑いと訴えるAの首筋へ当てれば、驚いてビクリと身体を跳ねさせたものの冷たくて気持ちがいいとそれを受け入れる。
何度か繰り返せば呼吸が落ち着いてきたように見え、今度は優しく髪を梳いてやり、しばらくすれば小さな寝息が聞こえてきた。
ふっと一息ついてサイドテーブルへと戻り、時折レナの額のタオルを変えながら書類の整理をし、一晩を明かした。
朝日が出てきた頃に毛布の山が動いてAが身を起こし、額にあったタオルがぽとりと落ちる。
｢体調はどうだ？｣
｢もう大丈夫です。なんだかすっきりしています｣
ありがとうございますと礼を言うAの額に手を当ててみれば、確かに熱は下がっていた。
｢マルコさん、ずっとそばにいてくださって寝てらっしゃらないでしょう？すみません…｣
｢どうってことねェよい。海賊は不寝番だってするんだ。慣れっこさ｣
Aが気負わないようにそう言って優しく笑ってくれ、ナースと親父に報告してくると、頭を一撫でしマルコは部屋を出て行った。
その姿を見送って夜の朧気な記憶を思い出し、優しさに本当に自分が駄目になりそうだと、Aはベットへ倒れ込んだ。
熱は下がったが夜まではゆっくりしてろと言われ、ベッドの上でぼーっと過ごす。
自分の元いた世界では毎日忙しなく働いていた為、元気なのにこう暇を持て余してはどうしていいか分からず、暇だな…と思わずAは呟いた。
昼頃に一度マルコが昼食を持ってきてくれだか、それっきり。
昼寝をしてやろうと思っても眠気が来ず、何度も寝返りをしてなんとも言えない時間を過ごした。
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もふもふ子(プロフ) - 如月さん» ありがとうございます(*ˊ˘ˋ*) (2022年10月6日 22時) (
レス) id: 3d96900827 (このIDを非表示/違反報告)
如月(プロフ) - もふもふ子さん» かわいいから問題無しです！！ (2022年10月6日 19時) (レス) id: 4efb850e8a (このIDを非表示/違反報告)
もふもふ子(プロフ) - 如月さん» 幼女な夢主さんが好きで来られた方々には紛らわしい題名ですよね…申し訳ないです… (2022年10月6日 13時) (レス) id: 3d96900827 (このIDを非表示/違反報告)
如月(プロフ) - 雛鳥って書いてあるから子供かな？って思ったけど成人してたわ (2022年10月6日 12時) (レス) @page7 id: 4efb850e8a (このIDを非表示/違反報告)
もふもふ子(プロフ) - thmrt1214さん» ありがとうございます！このお話でマルコさんをもっと好きになって頂けて大変光栄です！続編は大人のお話を入れ込んでいきますので、未成年の方は閲覧できないように設定している、ということでごさいます。 (2022年9月27日 23時) (レス) id: 3d96900827 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もふもふ子 | 作成日時：2022年9月17日 4時
