雛鳥の足跡…27こ ページ28
ふと目が覚めれば身体が重く、動くのが億劫で目だけキョロキョロさせ周りを見る。
見知った場所。ここは、船医室だ…。
枕元には前と同じようにベルが置いてあり、それを手に取ろうと思って伸ばせば指先に当たり倒れ、チリンと一度だけ音が鳴った。
その音に気づいて動く気配がする。
｢起きたのね｣
シャッとカーテンが開き、そう言って頭を撫でられる。
｢あの、敵襲は…｣
｢滞りなく、勝利よ｣
｢クルーの皆さんは…？｣
Aの言いたいことが分かり、軽傷者はいれど、命を落とした輩はいないわと言えば、Aはホッと息を吐いた。
｢今夜はここで過ごす？自室に戻る？｣
｢…自室に、戻ります｣
そう言ってのそりと身を起こそうとすれば、迎えを呼ぶわと静止がかかる。
少しすれば、お馴染みのマルコが現れた。
抱えあげてもらう身体はくたりと力が入らず、いつもとは違い今日はしっかりと横抱きにされる。
部屋へと連れてきてもらえば、そっとベッドへと降ろしてくれた。
｢どうしよう、マルコさん…。武器が、持てなくなってしまいました｣
｢この船の奴らはみな強い。お前が戦う必要はないよい｣
｢それはいけません。それじゃあ、ダメなんです｣
戦う術がなければ、私は何も出来ない。
一応一国の王女として過ごしてきて、家事全般得意としない。
得意とすることは武器を振るうこと。
私が出来ると思う仕事は、警備やどこかのお屋敷の用心棒くらい。
住みたい島が見つかっても、仕事が出来なければ生きてはいけない。
｢…ずっと船(ここ)にいればいいさ｣
｢…いけません。私は客人としてここに置いて頂いてる身。いつかは、去らなければなりません｣
｢そうかよい…。時間はいくらでもある。焦るなよい｣
明日また様子を見に来る、そう言ってマルコは出ていった。
深夜になっても、しばらく眠っていたからか眠気がこず、少し風に当たろうと部屋を出てふらりと歩く。
向かう先は、体力作りで船内を散歩していた際に見つけた、武器庫。
静かに入りランプを灯せば、ずらりと立ち並ぶ武器たち。
長剣が駄目なら、短剣を…。
そう思い手に取れど、かたかたと震え手から短剣がこぼれ落ちる。
ガシャりという音でハッと意識が戻り、なら次は槍を、弓を。
そんな事を繰り返していれば、いつの間にか夜が明けていた…。
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もふもふ子(プロフ) - 如月さん» ありがとうございます(*ˊ˘ˋ*) (2022年10月6日 22時) (
レス) id: 3d96900827 (このIDを非表示/違反報告)
如月(プロフ) - もふもふ子さん» かわいいから問題無しです！！ (2022年10月6日 19時) (レス) id: 4efb850e8a (このIDを非表示/違反報告)
もふもふ子(プロフ) - 如月さん» 幼女な夢主さんが好きで来られた方々には紛らわしい題名ですよね…申し訳ないです… (2022年10月6日 13時) (レス) id: 3d96900827 (このIDを非表示/違反報告)
如月(プロフ) - 雛鳥って書いてあるから子供かな？って思ったけど成人してたわ (2022年10月6日 12時) (レス) @page7 id: 4efb850e8a (このIDを非表示/違反報告)
もふもふ子(プロフ) - thmrt1214さん» ありがとうございます！このお話でマルコさんをもっと好きになって頂けて大変光栄です！続編は大人のお話を入れ込んでいきますので、未成年の方は閲覧できないように設定している、ということでごさいます。 (2022年9月27日 23時) (レス) id: 3d96900827 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もふもふ子 | 作成日時：2022年9月17日 4時
