雛鳥の足跡…25こ ページ26
Aが試着をしている間に、マルコ隊長も一着選んであげて下さいなとナースに言われ、店内の服を漁る。
ふと目に飛び込んできたものに、これしかねェなとそれを手に取りナースへと渡せば、まぁ…とみな目を丸くした。
シャッとカーテンを開けたAに、次はこれねとナースがマルコの選んだ服を手渡せば、それを見て、受け取った手がふるふると震える。
｢これっ…私の騎士服みたい、です｣
それはフィッシュテール型のワンピースであったが、白地に赤い糸で模様を施される様は、Aの騎士服を連想させた。
それを知るマルコやボロボロだった騎士服を繕ったナースたちは、着てみてと優しく促す。
どうですか？と姿を現したAは、どの服よりもそれが一番似合っていて、マルコが似合うよいと笑えば、Aはとても嬉しそうに笑った。
それを着て帰りましょうと、会計を済ませ店を出た。
｢Aは、赤がよく似合うわね｣
ナースの一人がそう言えば、Aの瞳に涙が浮かぶ。
それに慌てどうしたのか問えば、姉たちに、よく言われた言葉だと言った。
それで、これも赤なのかよい？と、Aの耳にぶら下がるものをそっと撫でる。
綺麗にカットされた雫型の、赤いルビーの宝石のピアスで、Aがこの世界に来た時から身に付けていたものだった。
｢これは二十歳の誕生日に、一番上のお姉様に頂いたものです｣
姉の手自ら耳に付けてもらい、やはり赤が似合うわねと言ってくれたと話す。
それも？と言って、手に付けられた二連の赤の宝石が散りばめりた腕輪を示せば、これは二番目の姉に頂いたとAは言った。
｢家族と繋がりのあるものが、その身に残っててよかったねぃ｣
そう言って頭を撫でれば、はいと嬉しそうに微笑んで、溜まった涙が一粒零れ落ちた。
船へ戻れば、白ひげが外で風にあたっていた。
楽しんできたかと問われ、色んなものを沢山買って頂きました、ありがとうございますとワンピースの裾を摘んで頭を垂れる。
よく似合っていると言われ、頬を染めはにかんだ。
｢この島は、どうだ？｣
｢とても穏やかで過ごしやすそうですが、住みたいと思うまでは…｣
Aがそう言ったとき、マルコの肩がピクリと跳ねたのを白ひげは見逃さず、にやりと笑った。
｢島はごまんとあらァ。ゆっくり決めればいいさ｣
｢はい、お世話になります｣
そう言ってまた、優雅に頭を垂れた…。
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もふもふ子(プロフ) - 如月さん» ありがとうございます(*ˊ˘ˋ*) (2022年10月6日 22時) (
レス) id: 3d96900827 (このIDを非表示/違反報告)
如月(プロフ) - もふもふ子さん» かわいいから問題無しです！！ (2022年10月6日 19時) (レス) id: 4efb850e8a (このIDを非表示/違反報告)
もふもふ子(プロフ) - 如月さん» 幼女な夢主さんが好きで来られた方々には紛らわしい題名ですよね…申し訳ないです… (2022年10月6日 13時) (レス) id: 3d96900827 (このIDを非表示/違反報告)
如月(プロフ) - 雛鳥って書いてあるから子供かな？って思ったけど成人してたわ (2022年10月6日 12時) (レス) @page7 id: 4efb850e8a (このIDを非表示/違反報告)
もふもふ子(プロフ) - thmrt1214さん» ありがとうございます！このお話でマルコさんをもっと好きになって頂けて大変光栄です！続編は大人のお話を入れ込んでいきますので、未成年の方は閲覧できないように設定している、ということでごさいます。 (2022年9月27日 23時) (レス) id: 3d96900827 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もふもふ子 | 作成日時：2022年9月17日 4時
