雛鳥の足跡…2つ ページ2
カチャカチャ響く金属音に、ふと目が覚める。
(ここは…？)
声を出そうにも、ヒリついてかすり声さえ出なくて喉元を抑えた。
薬品の匂いが漂い、手に触れるシーツはとても清潔なものと分かる。
ゆらゆらと微かに揺れている気もするが、ここは病室だろうか。
そういえば…と、意識を無くす前のことを思い出しバッ身を起こす。
その身体は激痛が走り、くらりとふらつく頭にまたシーツへと逆戻りした。
痛すぎて、小さく呻き声が漏れる。
ふと誰かの気配がしてシャッとカーテンが開けば、そこにはなんとも美しい美貌が。
短い丈から覗くすらりと伸びる脚に、大きく開かれた胸元からはこぼれ落ちそうな程の豊満な胸。
ナース…服…？
その光景に目がチカチカした。
｢あらよかった、目が覚めたのね。隊長呼んできてちょうだい｣
優しく声が掛かり、その人はほかのナースにも声を掛けた。
その後にそっと額へと華奢な手が落ちてくる。
｢貴女酷い傷でね、高熱を出して3日程意識がなかったのよ｣
うちの隊長を助けてくれてありがとうねと、頭を撫でられた。
もう幼子ではないというのに、姉を思い出し涙が滲みそうになる。
それを誤魔化すように、色々と聞きたいこともあり口を開いたがやはり声が出ず。
｢しばらく声を出すことは辞めておいてね。これ以上声帯がやられてしまったら、今後本当に喋れなくなるわ｣
そう言われ、医療に携わる者の言うことは素直に聞こうと頷けばにこりと微笑まれる。
しかし先程この人は隊長を呼んできてと言っていた。
軍隊、なんだろうか…？
｢失礼するよい｣
ガチャりとドアが書く音がして、いい声が響いた。
こっちよとナースに呼ばれ顔を出したのは、私が助けた人。
その無事な姿にホッとする。
｢目が覚めてよかった。おれを助けてくれてありがとうねぃ｣
そう言って額に当ててきた手に、自分の手を重ねて首を振れば笑ってくれた。
あの鉛玉海楼石で出来てやがったから、アレに当たってたらおれは死んでたかもしれねぇと男の人は言う。
海楼石が何か分からないけれど、それなら本当に助ける事が出来てよかったと微笑めば、髪をわしゃわしゃと掻き混ぜられた。
｢お前、名前は？｣
そう言われ、声にならぬ声で必死に伝えようとすれば、口元に耳が寄った。
｢…Aっていうのかい？｣
伝わった！と思って頷く。
｢おれはマルコってんだ。よろしくねぃ｣
にこり…というよりは、にやり…という感じに彼は笑った。
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もふもふ子(プロフ) - 如月さん» ありがとうございます(*ˊ˘ˋ*) (2022年10月6日 22時) (
レス) id: 3d96900827 (このIDを非表示/違反報告)
如月(プロフ) - もふもふ子さん» かわいいから問題無しです！！ (2022年10月6日 19時) (レス) id: 4efb850e8a (このIDを非表示/違反報告)
もふもふ子(プロフ) - 如月さん» 幼女な夢主さんが好きで来られた方々には紛らわしい題名ですよね…申し訳ないです… (2022年10月6日 13時) (レス) id: 3d96900827 (このIDを非表示/違反報告)
如月(プロフ) - 雛鳥って書いてあるから子供かな？って思ったけど成人してたわ (2022年10月6日 12時) (レス) @page7 id: 4efb850e8a (このIDを非表示/違反報告)
もふもふ子(プロフ) - thmrt1214さん» ありがとうございます！このお話でマルコさんをもっと好きになって頂けて大変光栄です！続編は大人のお話を入れ込んでいきますので、未成年の方は閲覧できないように設定している、ということでごさいます。 (2022年9月27日 23時) (レス) id: 3d96900827 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もふもふ子 | 作成日時：2022年9月17日 4時
