ハートの海賊団中心短編集【ONEPIECE】 (ページ4)

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ローの部屋の片隅で、ばあばはチクチクと趣味のパッチワークをしている。
今日は一日仕事禁止！と言われ、ローが監視に付いている。

｢ローちゃん。今日は何かあるのかい？｣
｢ばあさんそろそろボケてきたか？今日はアンタの誕生日だろう｣

おや、まあ…もうそんな日なのかと壁に掛かったカレンダーを見つめた。
だから他のクルーの子たちが自分の代わりに仕事をしてくれているのかと、ばあばは納得した。
なら有難くお休みを頂戴しようと、パッチワークに没頭した。

夕方になると、準備出来たよ！とベポが呼びに来る。
食堂に入れば…

｢｢｢ばあば！誕生日おめでとうっ！！｣｣｣

パパーンとクラッカーが鳴り、みんなの声が重なる。

｢今日は私の為にありがとうねぇ｣

ばあばは可愛い子たちに囲われてとても嬉しそうだった。

極端に味の薄い料理も、味の濃い料理も、美味しい美味しいとばあばは食べてくれる。
みんなからのプレゼントだと渡し包みを開ければ、沢山の高級な織物の生地が出てきて、ばあばは目をキラキラとさせた。
それを見たクルーたちはばあば可愛い…とほんわかする。

ご馳走を食べ終えれば、最後に今年は去年より上手に出来たと思う！とシャチとペンギンによりケーキが運ばれてきた。
手作り感満載の、とても歪な形のケーキ。
クリームの塗り方も、飾り付けも、とてもじゃないが綺麗だと言えないものにばあばは素敵だと褒めてくれる。
一口食べて、美味しいと更に褒めてくれた。

｢ばあば、長生きしてね！｣
｢はいな。まだまだ皆と一緒に居たいからねぇ｣

最後に、ばあば好きー！と皆と抱擁して、ばあばは就寝しに部屋に戻った。

翌朝、朝食を作りにキッチンに来れば、もわんと調理器具等の残骸がシンクにわんさか溢れていた。
昨日頑張って作ってくれたであろうご馳走たちを思い出して、ばあばはふふっと笑う。
楽しい一日だったと思い返しながら、ばあばは片付けに取り掛かった。

｢｢｢ばあば、おはよう！お腹空いた～｣｣｣
｢はい、おはようさん。もう少しで出来るよ、座って待ってな｣

配膳されていくご飯を、シャチとハクガンがひょいとフライングして口に放り込み、やめろとローに手首を切断される。
その様子に朝からゲラゲラと騒がしいクルーたちに、ばあばもニッコリと楽しそうだったーーーー。