異能力：《カゲロウデイズ》【文スト】【(微量の)カゲプロ】

26.キャラ変 ページ33

NO SIDE.


『〈あっ、あのぉ〜…こんにちはぁ〉』

全員「！？！？」

国木田「気の所為……か？」

『〈気の所為じゃないですぅ……ここです、ココ〉』


声の出処を辿ると、なんとAがいつの間にか持っていた携帯。

まさか、と思いながらも太宰は携帯を開いた。


『〈あ、気づいてくれました？良かったぁ〜〉』

太宰「え……君、Aちゃん……？？」

『〈そおです、Aです〜〉』

敦「なんか……なんか……え？？」


敦たちは啞然とする。


携帯の中にAが居るのも、

なんで急に眠ったのかも、

服装や髪型が少し違うためそれも、

いつ携帯を手に持ったまま寝るなどという器用なことをしたのかも、


全て気になるがなにより一番気になるのはこれであった。


太宰「なんか………Aちゃん……、、」

『〈はぃ…？何でしょ〜〉』

太宰「…………随分キャラ変したんだね」


あの太宰が精一杯考えて出てきた言葉がコレなのだ。

現場は相当なパニックに陥っていた。


『〈キャラ変……したつもりはないのですがぁ……〉』

敦「いやすごいキャラ変だよ。性格改変しすぎだよ。なんでそんな癒やし系キャラに方向転換しちゃってるの！？いつの間に？？！！」


珍しくノンストップのマシンガントークを繰り広げる敦。

そんな敦に、A(でんしのすがた)はパチクリと目を瞬かせ、のんびりと言った。


『〈うーん…今の僕はちょっと頭がお馬鹿なのでー…一寸戻りますねぇ〜。僕の身体、地面でもソファでもいいので〜寝かせといてください〜〉』

太宰「う、うん？わかったよ…」


太宰がAの身体を持ち上げ、ソファに寝かせる。


『〈さーん、にーぃ、い〜ち〉』


ぜろ。


ガバッ！！！

そんな音をまとって、Aは飛び起きた。


『いやーよく寝た！ていうかやっぱ身体重ッ！！電子の世界に重力はないからね！ただただデータの重さがあるだけだヨ！』


これには乱歩さえも絶句。

ただ、敦たちは予測できていない状態で驚いているが、乱歩は予想できた上でも怖いというレベルの驚きである。

太宰も薄々はこうなることが読めていたが、やっぱり驚くものは驚く。

それくらい、《覚ます》のAと現実のAは180°越えてもはや地球一周の一歩手前か？？というくらい意味不明な性格の違いだった。




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