異能力：《カゲロウデイズ》【文スト】【(微量の)カゲプロ】

24.文字通り ページ31

NO SIDE.


『……とにかく！！《欺く》は知ってる有機物になれます！痛みで能力は解けちゃいます！人にもなれるし身長も変えられるけど無機物にはなれません！！飛行機とかね！！騙し絵みたいな能力デス！！』

太宰「マシンガントークだねぇ」

『誰のせいだと思ってんだ！！』


ゼェゼェと息を切らして怒鳴るA。

そしてそれを他人事かのように、面白そうに見る太宰。

何故か力関係が垣間見えた気がして、敦は少し苦笑いをした。


『で、次は！！！…《奪う》ね』

敦「その最後だけ真顔になるのやめない？？」


一話でもやったくだりを(メタ)またもや繰り返すAと敦。

もはや能力紹介ではなく、漫才のようになってきている。


『ん〜……ちょっとついてきて！！』


そういってAが向かったのは、社の近くにある公園。

そしておもむろにレジャーシートをひくと、台を乗せてその上に立ち、歌い始めた。


『♪〜…〜奪っちゃうよ！奪っちゃうよ！！〜♪』


Aの目は赤く光り輝く。

次第に人の数は増えてゆき、最初は10人ほどの人だかりだったものが30人、40人と増えてとうとうものすごい人だかりになった。

そして敦たちも、《奪う》の異能に当てられていた。


『〜♪』


目が離せない。

惹きつけられる。

魅了される。


その類いの言葉全てを詰め合わせても到底それには至らないほど、強力で強烈で繊細に、脳の隅々まで溶かすかのような興奮に打ちのめされ、立っていられないほどに心が震えている。


敦たちは、文字通り《目を奪われて》いた。


『〜♪！！……ありがとうございましたぁ〜！！』


Aがペコリとお辞儀をすると、ワァァァ！！！！！と盛大な拍手と声援が沸き起こる。

そして彼女の目の赤みは引き、探偵社一同のところへゆっくりと歩いてきた。


『どーだった？これ結構やばいっしょ』


これに答えたのは、異能が効かない身のため一同の様子を静観していた太宰。

敦や谷崎、ナオミなどはまだ余韻から抜けていないのか、どこかぼおっとしている。


太宰「なんというか………凄まじい能力だね」

『でしょ？』

乱歩「……これは下手したら中毒とか依存になる可能性すらあるよ。強力すぎる…」

『そーなんだよー…ちなみに今のでも全力の10分の1にも満たないからサ！！』

太宰「それは本当かい！！？」

『そ。殺傷能力はないけどまじで危険なんだよコレ。』



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