21.トクベツでしかない ページ28
NO SIDE.
『で、僕はもうひとつ“合わせる”っていう力も持ってるんだけど…それが“目を《合わせた》相手を一定時間固まらせる”っていう力なんだよね』
Aはそう言いながら自分の目の周りをくるくるとなぞる。
『でもこの力はさっきも言ったように異能じゃなくて、何ていうんだろう…………僕がメデューサの末裔で、なおかつ先祖返りしてるから持ってる能力っていうか、メデューサの血に刻まれた能力っていうか……』
そんなAに敦が聞く。
敦「じゃあ、Aちゃんの家族とか血縁者であっても先祖返りしてる人以外はその…《合わせる》を使えないってこと?」
『そゆこと!!…でも先祖返りしてる人なんて僕以外にいないよ』
Aは言った。
『僕はトクベツでしかないんだから』
敦も、その場にいる全員も少し目を見開く。
そして敦は反射的にAに伸ばしてしまった手をゆっくりと元の位置に戻した。
『あれ?どうしたの敦。さっきは手なんて伸ばして…』
Aの言葉さえも遮るように敦が言う。
敦「Aちゃんが消えてしまいそうだったから」
『え?』
その言葉に少し驚くA。
しかしすぐに笑顔に戻り、優しく敦を撫でた。
『僕は何処にも行かないよ、今は』
そして全員の方を振り返ると、打って変わってまた飄々とした態度で説明を再開した。
『で、ここからは実技っていうか実際に見せてみようコーナーなんだけど〜!《隠す》から順番にみせてくね!!』
Aはドアに近寄る。
どこかに行くのかと思った太宰はAに声をかけた。
太宰「どこかいくのかい?」
『いえ、ちゃんと戻ってきますよ!数秒後にね』
Aはそれだけ残し、ドアを開けたままにして外へ出ていった。
太宰は言葉の意味を考え、乱歩はのんびりと駄菓子を食べ。
敦やその他の社員は頭にはてなマークを浮かべたままぼんやりしている。
そして敦は何気なくソファの方を向いて椅子から転げ落ちるほど驚いた。
敦「ウワァァァ!!!!」
居る。
さっき出ていって、戻る気配や姿どころか音もなかったAが。
他の社員もこれにはフリーズした。
もちろん、想像がなんとなくついていた乱歩と異能が効かない太宰は別である。
.
186人がお気に入り
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
この作品が参加のイベント ( イベント作成 )
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
宵凪(プロフ) - ただの一般人さん» ひょえわぁ!?!?めちゃくちゃ褒めてくださる……✨✨✨めっちゃ励みになります、ほんとにありがとうございマス…!!これからも更新頑張ります、ぜひ2もよろしくお願いします〜〜!! (2023年4月20日 7時) (レス) id: 828efe0dfb (このIDを非表示/違反報告)
ただの一般人 - すっ…すごい…!!絵も物語も上手いだなんて…。宵凪さんの文の書き方と絵柄が、めっちゃ好きですちょっとわけてくれませんかお願いします(切実)カゲプロも文ストも好きなのでもう…ダメだ好きすぎた(遺言) (2023年4月20日 2時) (レス) id: 3f9059dfb5 (このIDを非表示/違反報告)
宵凪(プロフ) - りりり ( ´・ω・)(・ω・` )@受験多忙さん» りりりさんありがとうございますッッ!!㊙エピソード好評で何より……!これからも頑張りマス!応援ありがとうございます!!! (2023年2月19日 10時) (レス) id: 47abe22f42 (このIDを非表示/違反報告)
りりり ( ´・ω・)(・ω・` )@受験多忙(プロフ) - 途中で出てくる㊙エピソードと一緒に読むと更に楽しめて良いと思いました!!続編も出てるみたいなので拝見させて頂きます!あくまでもご自分のぺースで頑張ってください…!! 長文失礼いたしました! (2023年2月19日 1時) (レス) id: 287586b201 (このIDを非表示/違反報告)
りりり ( ´・ω・)(・ω・` )@受験多忙(プロフ) - 遅くなりましたが、イベント参加ありがとうございました…!! 夢主の目の設定がかっこいしテンションブチ上がってる中垣間見せるクールな一面が素敵だと思いました!! というか織田作…めっちゃ気になるし敦君の想いがどうなっちゃうのかも気になります… (2023年2月19日 1時) (レス) id: 287586b201 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:宵凪 | 作成日時:2023年1月22日 12時