照らさないで、スポットライト。 (ページ18)

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「Aさん、炭酸ジュース買ってきましたよ〜？」

「わぁぁ、ほんとにA先輩がいる〜！俺のこと覚えてるっ！？」

まぁくんが炭酸ジュースと共にお仲間を1人連れて戻ってきた。

「わ、明星スバルくん。久しぶりだねぇ。」

オレンジ髪の明星スバルくん。

あの腐ってた学院の中でもキラキラした輝きを秘めた原石だった子。

私が転校する前に、最後にお話した後輩。

「スバル、お前まじでAさんと知り合いだったんだな、、？？」

「うん！先輩は俺のダンスとか歌を見てアドバイスくれたりしてたんだ〜！ねぇねぇ、なんで先輩がここにいるのー！？」

「Eve側のプロデューサーとして私もサマーライブのレッスンに関わるからねぇ〜。またスバルくんのレッスン見れるね。」

「わぁ〜！！先輩が転校しちゃうって聞いて寂しかったけど、またこうやってレッスン見てもらう機会ができて嬉しい〜！！」

目の前で目を輝かせながら話すスバルくんには、犬の尻尾が生えているかのよう。

こんなに懐いてくれている後輩が私にも居たのだ。

今回のサマーライブでTrickstarに容赦はしないが、またスバルくんのレッスンを見れるのは私も純粋に嬉しい。

「ふふっ、サマーライブ楽しみだねぇ。お互いがんばろ。」

「うん！がんばろ〜！！」

「てかそろそろ俺らレッスンルーム向かったほうがいいんじゃないか？Aさんも一緒に行きます？」

スマホを確認してみるけど、日和から連絡は何も来ていない。

ミーティング終わったら連絡してって言ったんだけどなぁ？

「能天気な貴族様からは何も連絡ないかぁ。1人で行くのも寂しいし、日差しのせいで校内までたどり着けなかったら困るし、2人に付いていこうかなぁ？」

「人数多い方が楽しいもんね！！A先輩も一緒にいこいこ☆」

「ふふっ、道案内はスバル君にお願いしようかな？元気なのはいいけど、はしゃぎ過ぎてこの後のレッスンでバテるなんて許さないからねぇ？おわかり？」

「は〜い！！！」

いつでもこの子は、眩しいんだ。

過去の私が自分から声を掛けたのも、スバルくんの光に導かれたから。

眩しさの象徴である日和に手を引かれて歩き出したのも、私が光を求めていたからなのかも。

私は光にもう一度当てられたかったんだ。