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「あ〜〜寒ッ!!」
玄関から音がして、渡辺の声が聞こえる。。外に出ていた4人が帰ってきたようだった。
続々と居間に入ってきた彼らは各々鞄を取り出し、ジャラジャラとビニール袋を広げだした。黒い何かが入っているようだ。
岩本が初めに口を開く。
「目撃情報はなかった。ていうか、出歩いてる人が全然いなかったよ。」
ここ最近激しく雪が降ることはなかったが、何せ風が強い。冷たい風がびゅうびゅう吹き荒れる寒空を歩く人などどこにもいないのだ。
「まあ元々人なんて滅多に見ない場所だから、予想はついてたけどね...。」
佐久間がボヤくのを制し、深澤がそんなことよりもと口を出す。
「多分めめが襲われたあたりだと思うんだけど、雪に埋もれて変なものがいっぱい落ちてあったんだよね。」
ビニール袋を広げると、中には黒く煤けた小物がいくつか詰まっていた。
「俺も照も佐久間も機械詳しくないからさ、なんかの部品だとは思うんだけどわかんなくって。阿部ちゃんか康二ならわかるかなって思って持って帰ってきたんだけど...。」
「う〜ん、黒くてよくわからんな。」
宮舘が布で雑に擦ると、元の銀色が姿を表す。そのまま全ての煤を取り除くと、それはネジであると判明した。佐久間も、いつの間にか近くに寄っていた目黒と一緒に部品を磨く。歯車のようなものからただの棒状のものまで、様々な形が取り揃った。
渡辺はそれらをまじまじと眺め、口を開く。
「何かのパーツであることは...間違いないんだよな?」
「多分ね。康二は何かわかる?」
宮舘に声をかけられ、向井は一つ一つの部品を見て回る。
「...なんか見たことあるような....?でも、何やったっけ...。
あ〜もう、アカン全然思い出されへん!!」
頭をかきむしって考える様子を周りは心配そうに見つめる。
その中で、佐久間は阿部だけがただ部品を見つめながら硬直している様子に気がついた。。
「阿部ちゃん?どうしたの?」
「......これ、銃のパーツだよ。」
「えっ」
「ごめん佐久間、あそこのオレンジのファイル取ってきてくれない?」
指示を出しながらパーツを並べだした阿部に従い、佐久間はとってきたファイルを差し出す。
指定されたページをペラペラと捲ると、そこには銃の解体説明書が挟まれていた。
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もえなっとう(プロフ) - 藤菜さん» こんばんは!いえいえ全然大丈夫ですよ!?いつもありがとうございます! (2021年1月28日 20時) (レス) id: 9d4a7bc2ed (このIDを非表示/違反報告)
藤菜(プロフ) - こんばんは!余計な事を言ってしまってすみませんでした!続きを楽しみに待ってます! (2021年1月28日 19時) (レス) id: f78a68b7f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もえなっとう | 作成日時:2021年1月28日 18時