1.◆Seek ページ31
ジュウと音を立てて、大きい南京錠が溶けて落ちた。北斗はすぐ手袋をはめなおしてゆっくりと扉を開けた。
輸送用の入口は警備がガバガバであり、アラートさえもついていない。あまりの手の甘さに逆に不安になりながら様子を伺う。本当に人っ子1人いないことを確認してから後ろに待機していた仲間を呼んだ。
「...入れる?」
「いける。誰もいない。」
足を踏み入れた先は白い壁に囲まれた広い部屋となっている。トラックを入れるためであろう大きな扉には念の為触らないよう北斗は言いつけ、監視カメラに気をつけながらゆっくりと進む。
樹が「静かだな」と呟いた。その声が軽く響くほどこのエリアにはなんの音もなく、既に輸送が行われたあとだということが伺えた。なんとも運のいいタイミングである。
「....ジェシー、目バッキバキだよ。」
ちらりと隣と見た京本がギョッとする。HE!?と声を上げた彼に静かに!!と諭すと慌てて口を覆うが、その手とサングラスでは隠しきれないほど目の瞳孔が開ききっていた。ジェシーの顔を覗き込んだ慎太郎も「ホントだ!!」と声を上げる。
シッ!!と樹と北斗が抑えバレたかと全員で身を固めるが、誰かが出てくる気配はどこにもなかった。
「まあそりゃバキバキにもなるだろうよ。1番心配してたのジェシーじゃん。」
「車の中でずっとソワソワしてたもんな〜!」
「だからモリ声でかいんだって...。」
深夜ということもあって移動中に睡眠を摂るメンバーがほとんどの中、ただ1人ジェシーだけはずっと起きていた。いつもならとっくに床に着いている時間なのだが、なんだか目が冴えて眠れない。ガチャガチャと拡声器をいじる手と心は驚くほど落ち着いており、仲間の奪還作戦の決行前日だとは到底思えなかった。
6区を抜けると風は止み砂嵐は晴れ、澄んだ星空が広がる。普段ならば全員を起こしてでも身を乗り出して眺めるのだが、ジェシーの心はいつになっても晴れないままだった。
ー高地、大丈夫かな。
ー絶対に助けるんだ。じゃないと今までの全てに意味が無い。
ー...レジスタンスは6人じゃないといけないから。
突然、がっしりと腕を掴まれる。驚いて身を引こうとするがそれでも手は離れない。
手の主は京本だった。意外な人選にジェシーが目を丸くすると、彼は口を開いた。
「皆、同じ気持ちだから。」
京本の瞳もまた、闘志で燃え上がっていた。
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もえなっとう(プロフ) - 藤菜さん» こんばんは!いえいえ全然大丈夫ですよ!?いつもありがとうございます! (2021年1月28日 20時) (
レス) id: 9d4a7bc2ed (このIDを非表示/違反報告)
藤菜(プロフ) - こんばんは！余計な事を言ってしまってすみませんでした！続きを楽しみに待ってます！ (2021年1月28日 19時) (レス) id: f78a68b7f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もえなっとう | 作成日時：2021年1月28日 18時
