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部屋から出された高地は検温などの軽い身体検査を受けた後、先日とは別の大広間へと入れられた。同じようなファンタジスタがぞろぞろと入ってくるが、前より人数が減っているように見える。
長机の上には人数分のパンがひとつずつ佇んでいた。番号順だろうか、高地は扉側の1番隅の席に座らせられる。
ひとつ段の上がったステージには大理石でできた白いテーブルが設置されており、丁寧に花まで添えてある。そこに座る神父は前のように不気味なほどニコニコとしていた。
「皆様ご着席されたようですね。
おはようございます。今日は雲ひとつない清々しい青空でございます。私達の心も晴晴としており、神に祈りを捧げる絶好の日だと言えるでしょう。」
気味の悪い口上を述べる。無意識に眉間に皺が寄った。
「今日から貴方方は神に身を捧げる「仲間」です。仲間とは同じ環境で寝食を共にするものでありますので、今日から毎日朝食はこちらの広間で取っていただきます。」
じゃあこの場にいない人間は?誰もが同じ疑問を抱くが、豹変した神父を知ってしまった以上下手なことは口に出せなかった。
召し上がれと言われたって、こんな状況で大人しパンに手を出せるはずがない。しばらく全員がじっとしていたが、何も知らず連れてこられた子供が「いただきます!」と十字を切ってパンにかぶりついた。一瞬ぎょっとしたが、問題なく食べ進めるその姿は全員に安心を与えた。利用したようで情けなかったが、これで飯が食える。
続々と食事をしていく「仲間」を見て、高地も同じように食べだした。上手いとも足りるとも言えないが、それでもないよりかは十分だと思い込む。
すると、扉の陰に軍人が2人いることを察知した。彼らは何かコソコソと会話している。
「あれ、なんか人数少なくね?」
「バカ...ってお前、医務室の配属じゃなかったのか。」
「そうそう。外の防衛とかマジ暇だから!つかこんな辺鄙な区域なんか誰も来ねーし。」
「それはそうだよなぁ。
そうそう、今いないのは昨日注射打たれた奴らなんだよ。」
「うわっTRAG!?」
一瞬食事の手が止まる。焦って周りに目をやるが誰も高地の様子に気づいていないようで、ほっとしたあとそのまま聞き耳を立てた。
「鬼畜だな〜、いくら化け物とはいえ同情するわ。」
「お前声でけえって!こんなん聞かれると殺されるぞ!?」
「わ、悪いって...!でもちょっとぐらい思うだろ...。
だってTRAGって、能力とか奇病を強制的に進行させるクスリだろ?」
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もえなっとう(プロフ) - 藤菜さん» こんばんは!いえいえ全然大丈夫ですよ!?いつもありがとうございます! (2021年1月28日 20時) (
レス) id: 9d4a7bc2ed (このIDを非表示/違反報告)
藤菜(プロフ) - こんばんは！余計な事を言ってしまってすみませんでした！続きを楽しみに待ってます！ (2021年1月28日 19時) (レス) id: f78a68b7f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もえなっとう | 作成日時：2021年1月28日 18時
