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「出発はいつ頃?」
「明け方ちょっと前かな。」
「早ぇ〜!!」
佐久間の質問の回答に、少し離れた場所で渡辺が眉をしかめる。が、すぐに立ち上がりフンと仰け反った。
「まあ、すぐ奪還して逃げりゃいいんだろ?」
「そうなんだけど....そう簡単に行くか分かんないじゃん。」
「作戦通りにいかないことなんかしょっちゅうだろ。立て直しには慣れてるから平気だって。」
何かあったら連絡するし。そう言ってダンベルを持ち上げる岩本に、阿部はなんとなく安心感を抱いた。
拠点の位置から9区への移動は、いつも使用している大きなバンを使う。必要な物資をつめこんだポシェットを各々に支給し、調節の終わったインカムも渡した。
追加でそれぞれが必要だと思ったものを準備している最中、阿部がもう一度声を上げた。
「さっき言ったように、早朝出発だから睡眠は十分に取っておいてね。特に目黒と翔太!」
「なんで俺も!?」
分かってると言わんばかりに頷く目黒の隣で、不意を打たれた渡辺が叫んだ。
「『雪女病』は体力使うんだから。ただでさえ翔太は体力ないから、温存しておかないと後に持たないよ。」
すっかり熱の下がった目黒は行こ、といって渡辺手を引く。正論で言い返された渡辺はぐうの音も出ず、「しょうがねえな...。」と言って目黒と共に自室へと戻った。
深澤はある分の銃を全て大きなカバンに詰め続ける。銃弾の数や状態をひとつずつ慎重に確認していく様子に、どれだけ真剣に取り組もうとしているかが見て伺えた。
岩本はそんな彼を横目で見ながらガチャンとダンベル下ろし、よしと立ち上がる。
「最終的な目標はラウールの奪還だけど、役立ちそうな資料とかあったら持って帰りたい....とは言ってもそんな時間があるとは思えない。今回の事件の詳細だけでもなんとか知れないかとは考えてるから、皆協力して欲しい。」
正義感に溢れた男を見て、仲間達は微笑みながら頷く。「当たり前やんか!」「そうだそうだー!」と騒ぐ向井と佐久間を窘めながらも同意だと伝えた阿部もまた、穏やかな顔をしていた。それを見て熱いものがどんどん込み上げる。
居間に残っている6人は拳を突き合わせ、決意を固めた。
「出発は明日、決戦は3日後の深夜。俺達で絶対救けるんだ。」
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もえなっとう(プロフ) - 藤菜さん» こんばんは!いえいえ全然大丈夫ですよ!?いつもありがとうございます! (2021年1月28日 20時) (
レス) id: 9d4a7bc2ed (このIDを非表示/違反報告)
藤菜(プロフ) - こんばんは！余計な事を言ってしまってすみませんでした！続きを楽しみに待ってます！ (2021年1月28日 19時) (レス) id: f78a68b7f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もえなっとう | 作成日時：2021年1月28日 18時
