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「マジかよ！！やっぱさー人ってそんな簡単に変わんねーってコト！1回浮気したら2回目もするんだよ」
「…そうだよね〜」
「でもさー。良かったじゃん、ちゃんと分かって」
ビールを煽りながら松田が顔を歪めてそう言った。
松田が前に言っていた気がする。”今の自分のままじゃ彼女を作っても悲しませるだけだから”と。自分が置かれている状況を鑑みると松田の考えは納得できた
「でも意外とダメージ受けてない感じー？｣
流れで頷きそうになって思い留まる。
北斗さんの言葉を、思い出した
…本当はちゃんと傷付いている、お風呂の中で不本意に考えてしまうし、機嫌を取るような彼のメッセージもブロックできていない。
カウンターの隣に座る松田の顔を見た。
「ううん、結構真面目に傷付いてる」
「…あ、まじ」
真っ直ぐ言った私に、少し面食らったような松田が間を置いて何かを思い出したかのように笑った
「珍しい、Aが素直なの」
「えぇ？」
「いつも”私は気にしてません”みたいな顔してっけど、本当はちゃぁんと傷付いてるじゃん」
「ちゃんと言うようにしたんだ」
驚いた。いつもあっけらかんとしていた松田にそんな所を見抜かれていたなんて思いもしなかった。「いいと思う」と笑った松田の笑顔が眩しい。
「ちょっとトイレ」
久しぶりのアルコールのせいなのかもしれない、不意に涙が出そうになって席を立った。
トイレに向おうとして、少しだけぼやける視界のまま廊下を歩いていると後ろから控えめに肩を叩かれた。
「……うぇ、北斗さん？！｣
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作者名：鯖 | 作成日時：2023年3月14日 15時
