天使と悪魔

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「有希ちゃん、ありがとう！


今までごめんね。」


柵の向こうに立っている。


「やめてっ！」


「奏芽ちゃんもごめんなさい。」


いやっ、やめてっ！！


「有希ちゃん、そんな顔しないでよ。」


ふふって笑うさくらちゃんは、いつもの余裕のある笑みではなく心から微笑んでいた。


「死ぬ前に、反省できてよかった。


全部、有希ちゃんのおかげ。」









「紫花さん！」


弱々しい声が屋上に入ってきた。


愛子さん、、、


「やめてよ、悲しい！


行かないで！


ずっとここで聞いてたよ！？


私、辛かったけど紫花さんの方がずっと辛かったと思う。


私は大丈夫だから、生きて！」


さくらちゃんの目には涙が溜まっている。


「愛子ちゃん、ほんとにごめんなさい。」


さっきの私のように、深く頭を下げた。


「ありがとう、そんな風に言ってくれてうれしい。


でも、誰に何と言われようとこれは私なりの決意だから。


さようなら。」


ひらりとさくらちゃんが宙に舞う。


「さくらちゃん！」


鈍い音が下で聞こえた。


私はひざから崩れ落ちた。


「いや、いやあぁぁ！」






学校全体に、私の叫び声が響き渡った。

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