勘違い ページ49
｢おはよ｣
｢おはよう！｣
みんなが起きてきたが、その中にアクシアさんはいなかった。
靴も無かったので朝早くに出かけたらしい。
どうしよう、いよいよ決行の日だ。
当日になるとなんだか物凄く緊張してきた。
｢あの、少しいいですか？｣
レオスさんがうやうやしく話しかけてきた。
何だろう？レオスさんがこんな言い方をするなんて珍しい気がする。
二人で話をするため、リビングを出て突き当たりの共有スペースへと移動する。
｢なんですか？｣
｢私今まで貴女の事をね、ちょっとした勘違いをしてしまっていたみたいなんです｣
｢勘違い…？｣
むむ…と口をとがらせてもごもごするレオスさん。
｢だからですね、その、色々と申し訳ない事を言ってしまったなあと…｣
眉を八の字にして、本当に申し訳なさそうな顔をする。
もしかして、大嫌いとか言われたことだろうか？
なんだかおかしくて、笑ってしまった。
｢ちょっと貴女、なに笑ってるんですか？｣
｢いや、すみません…おかしくて…｣
なんだ、レオスさんってやっぱり優しいんだ。
｢何を勘違いされてたのかわかりませんが、とりあえずありがとうございます｣
｢はい？ありがとうございます？｣
｢はい、そんなの謝る事でもないだろうに、わざわざ謝ってくださって嬉しいんです。｣
レオスさんがポカンと口を開けて固まった。
｢おかしな人ですねぇ…｣
｢なっ！レオスさんの方が絶対おかしいですから！｣
｢はぁ？そっちのがおかしいですぅ！｣
言い合って、目を合わせて吹き出す。
｢あははっ！何なんですかこのやり取り！｣
｢ふふふっ、面白いですねぇ〜｣
｢…笑った顔見るの、初めてです｣
ふと声のトーンを落としてそう言われ、ドキッとする。
顔を上げると、長い睫毛の奥の瞳が柔らかく私を捉えているのが見えた。
｢私、結構好きですよ。貴女の事｣
｢えっ…それって…｣
｢はーいお二人さん現行犯逮捕〜！！｣
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 629人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
頭華(プロフ) - くらげさん» えへへ…コメントありがとうございます♡ (2021年10月5日 22時) (
レス) id: f03d065939 (このIDを非表示/違反報告)
くらげ(プロフ) - ヒィ…おそろしい…axくん…まさかここでクローンネタがくるとはって感じです想像の斜め上をいかれた流石すぎる…本日もお疲れ様です (2021年9月28日 17時) (レス) @page41 id: 8ae060a4c4 (このIDを非表示/違反報告)
頭華(プロフ) - Fineさん» コメントありがとうございます！勝手に脳内で博士の声で再生してしまいました笑 アクシア君の抱えているものがうまく描写できてたらいいな… 頭抱えて飛んで頂けたら幸いです！ (2021年9月28日 2時) (レス) id: f03d065939 (このIDを非表示/違反報告)
頭華(プロフ) - くらげさん» ありがとうございます！重たいですよね笑表情筋ぶっ壊れてほしいですねぇ〜 (2021年9月28日 1時) (レス) id: f03d065939 (このIDを非表示/違反報告)
Fine(プロフ) - あぁぁあぁぁあ何ですかこれぇ！？！？！？ｱﾞｱﾞｱﾞ重くて好き〜こんなの待ってました〜！！！！私の心臓が持ちませーん！いつも更新楽しみにしてます！アクシア……君は一体何を抱えているのかい……それ次第では私は頭抱えて飛ぶぞ……。 (2021年9月26日 16時) (レス) @page37 id: f4f4fca585 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：頭華 | 作成日時：2021年9月5日 2時
