……05 ページ29
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毛布にくるまって、月を見上げていたら。
いつの間にか眠っていたみたいだ。
肌寒さに目が覚めて、
人の気配がして起き上がる。
「あ、起きた？」
真っ暗で月明かりしかない部屋、
表情はわからないしシルエットしか見えないけど
……誰がいるのかは解る。
「まぁ色々聞きたいんだけど、
あんま時間が無くて一個だけね」
「……」
「ねぇ、お前はホントにこれで良いの？」
そばに座り込むと真っ直ぐと射抜くような瞳で
投げつけるように言った言葉に俯くと。
顎をガッと捕まれあげられる。
視線の強さにギュッと目を閉じたら
噛みつくようなキスに肩を押し逃げるけど、
ドンと背中に壁が。
追い詰めてもなお、やめず深くなってくキス。
タバコとコーヒーの味に絡む舌に押し返す力が抜けてく。
チュッ、と音と共に離れた。
…唇が、冷たい。
目に入ったかずくんのキラキラとした瞳に、息を飲む。
「……なぁ。俺の気持ちはどうなんの？
Aがいなくなったらさぁ……俺、笑えないよ」
「……かず、く…」
「こんなの女々しいし、情けねぇから言いたくねぇけど。
俺は！Aが居るから笑えんの、Aがいるから頑張れんの、Aが居るから
……俺が俺でいられんの。」
ぶつけられる真っ直ぐな言葉に、何も言い返せない。
目をゴシゴシっと雑に擦る姿にうつむき、唇を噛む。
私の頬に手を伸ばす、かず君の指先は少し濡れていて…
ぎゅっと胸が苦しくなる。
「…私、だっ……」
言いかけた言葉を遮るような着信に、
かずくんが舌打ちをして乱暴に電話に出て返事をして腕時計を見た。
……あの日の、誕生日プレゼント…。
少し話して電話を切ると私の両頬を両手で挟む。
「……俺の仕事だとか外野の言葉は置いといて。
A。お前は、どうしたい？」
と問うかず君に
「一緒…に、いたい。
離れたく、ない。かずくんが、すき……」
わぁ、と泣き出した私に
嬉しそうに笑うと
「じゃあもう、一生俺から離れんな」
って耳元で言った。
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ｆｉｎ…
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もち(プロフ) - 久しぶりにお話読めて嬉しいです！お身体お大事にしてください！ (2021年10月19日 2時) (
レス) @page46 id: aec85bc555 (このIDを非表示/違反報告)
もここ*(プロフ) - たまりんさん» お読み頂きありがとうございます！ (2021年10月18日 16時) (レス) id: b403a3e65f (このIDを非表示/違反報告)
もここ*(プロフ) - 柚さん» お読み頂きありがとうございます！ (2021年10月18日 16時) (レス) @page46 id: b403a3e65f (このIDを非表示/違反報告)
たまりん(プロフ) - もここさん、お話しありがとうございます。何か泣ける (2021年9月30日 18時) (レス) @page42 id: 0a1a6bc318 (このIDを非表示/違反報告)
柚(プロフ) - もここさんのお話が久しぶりに読めて嬉しいですー^_^更新ありがとうございます♪ (2021年9月30日 16時) (レス) @page42 id: b83af50be8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もここ
| 作成日時：2017年6月20日 9時
