知らない32 ページ34
『っ、うぁ…、もお、いやや…。』
膝をぎゅっと抱きしめ座り込む。
先程、ああは言ったものの、皐月はやはり大切な友人だった。
…まだ、信じたくはないけれど。
信じるしか、手段はない。
これから、どないしようか。
退職は…出来ればしたくない。けれど、少し休みたいから、有給でも取ろうかな。
嗚呼、でも。
『_________この傷は、時間じゃ解決しなさそうやなぁ。』
どれだけ時間が経てど、変わりゃしないか。
ねえ、皐月。
私、貴方のこと信じてたんだよ。
貴女はそうじゃなかったみたいだけどね。
笑っちゃうね。
『もう、死んでまいたいわ…。』
いっそのこと、死ねば楽だろうか。
丁度近くに落ちていた、刃の錆びたカッターを手に取る。
上に押し上げ、出た刃を首元へと向け、進めた。
なくしてしまえ、こんな命。
白紙に戻そう、この人生を。
「_________っ、馬鹿！A！！」
『へ、』
カランっ、
カッターが吹っ飛び、そして音を立てて落ちた。
何が起きた？
えっと、視界の端から、足？が出てきて、それで___
「っ、何をやっているんだ馬鹿野郎！！」
『しゃ、社長…。』
社長が膝を床につき、私の肩を掴んだ。
珍しく取り乱す社長に困惑する。
私なんか、居ても意味がないだろう。
迷惑かけてばかりだし、それに、誰にでも優しい皐月に嫌われるような奴なのに。
アホだし、五月蝿いだけなのに。
私、死にたいのに。
______あれ。
死にたい筈やのに、なんで、どうして涙が出るのだろう？
生暖かい液体が目から出て、優しく頬をつたった。
グルッペン社長が、肩に顔を埋めるようにして私に抱きつく。
「確かに命は粗末にする物と昔ゾムは言っていた。
やけど、お前みたいな奴を棄てるだなんてそんな馬鹿なこと考えるわけないし、お前が死んだら一体どれ程辛いか…、いや、これは俺の我儘やな、すまん。
でも、俺はお前に居て欲しいんや。生きて、笑って欲しいから。だからこうして仲間を集めてる。」
絡み付いた腕に力が篭る。
少しだけ、痛い。
「…なぁ、お前は。
Aは、こんな俺の側に、居てくれるか？」
グルッペン社長は笑っているけれど、その顔は悲痛に歪んでいた。
―――
どうもモブです。
打ち合わせって、大切ですよね…(しみじみ)
私関西出身でもなければ会社員でもないので可笑しかったら言ってください…
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 108人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ネオンムーン(プロフ) - 闇夜さん» ありがとうございます。とても嬉しく思います。 (2020年6月29日 5時) (
レス) id: cbec7e84fa (このIDを非表示/違反報告)
闇夜(プロフ) - 一人一人皆さんすごいです！だから私は私他の人は他の人ということで！気にしなくで大丈夫かなって思います！上から目線て失礼しました(笑) (2020年6月29日 1時) (レス) id: 5b80112fa8 (このIDを非表示/違反報告)
モブＡ(プロフ) - 闇夜さん» コメントありがとうございます！いやぁ皆さん凄いですよね、置いてかれないよう頑張らないとです…！これならも精進していきますのでどうぞよろしくお願いします！ありがとうございました！！ (2020年6月28日 23時) (レス) id: b95d8c05d7 (このIDを非表示/違反報告)
ネオンムーン(プロフ) - 闇夜さん» あ分かりましたー！直しておきますね！ありがとうございます！ほんと皆さん凄いですよね…。それに比べて私は……。 (2020年6月28日 23時) (レス) id: cbec7e84fa (このIDを非表示/違反報告)
闇夜(プロフ) - いつも楽しく読ませてもらってます！！ちょっと白色のセリフが読みにくいかな〜なんて…ごめんなさい！これからも応援してます！ (2020年6月28日 22時) (レス) id: 5b80112fa8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
