アメフリレインボウー2ー (ページ7)

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#7 nimbostratus ページ7

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＂友達と過ごした楽しい時間＂

もし名前を付けるとしたら

そんなシンプルな一時を終えて

帰りに二人で乗り込んだ電車は

おそらく同じ目的を果たし終えた人で溢れかえり

人と人の隙間がなくなるほどに詰め込まれた

満員の状態だった。

『大丈夫？』

扉の入口脇の壁に背を向け身を任せる私と

その正面で私を囲うようにして立つ髙橋くん。

ときどき電車が大きく揺れると体を支えてくれて

ほとんど距離のないあまりの近さに

ちらっと顔を見上げることさえ気恥ずかしくて

俯いたまま「うん」と小さな返事を返した。

普段なら有り得ないこの近さのせいで

心臓の鼓動が、いつもより早い。

直に伝わる体温が、ものすごく熱い。

ただのバイト仲間であり、友達である髙橋くん相手に

この時、少なからず胸が高鳴っていたことを

隠す気も誤魔化す気もさらさらない。

だけど、再び電車が大きく揺れ動いた瞬間

グラッとバランスを崩して倒れ込むように

私の頭上にあった髙橋くんの顔が近づいて

ほんの一瞬

おでこに小さく柔らかな熱が与えられたとき

一気に身体中の血が巡って、思わず顔を伏せた。

今、触れた。

髙橋くんの唇が。

体勢を整えたあとも視線は下に向けたまま

頭上からは控えめな声が降りてきた。

『ごめん』

「……うん、」

大丈夫。

今のは、ちょっとした事故だから。

お互いの意思は働いていない

誰のせいでもない、偶発的な──

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