#1 To my dearest ページ1
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誰かが言っていた。
空に虹が架かるのは、雨が降ったあと
太陽が覗いて射し込んだ光が水滴に反射するから。
雨上がりに空がパッーと晴れて
そこに美しく散っていく雨粒を
眩しく煌めく大きな光が照らしてくれたとき
あのカラフルで綺麗な景色を見せてくれるんだって。
それから
虹の形って、本当はアーチ状じゃなくて
真ん丸な円形なんだって。
地上からは見えないだけで、綺麗な円を描いてる。
それなら全部見てみたいって思うけど
目に映る半分が見られるだけでも
じゅうぶん幸せだと思える。
その残りの見えない部分さえ
美しく綺麗なものだとわかっているから。
私は、君のすべては知らない。
ときどき知りたいと思うこともあるけれど
知ろうとは思わない。
私が知っている君はきっと
どこまでいったって君でしかないから。
だから、ずっと願ってる。
今日も、明日も、その先の未来でも
素敵な景色をたくさん見ていてほしい。
気まぐれな空に振り回されながら
時にはずぶ濡れになって
時には眩しすぎるほどの光に包まれて
時には笑って、泣いて、喜んで
悔やんだり、怒ったり、苛立ったり
必死になったり、嬉しくなったり、悲しくなったり
それでもやっぱりまた笑って、笑って、また笑って…
こんな言葉を並べていたら
君はきっと気怠そうな顔を見せるだろうから
そうだな。
一つだけ願うとしたら
この先もずっと
君が、君らしくいられますように。
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作者名：N | 作成日時：2020年9月16日 11時
