#find out.25 ーShoー ページ25
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夢を見ていた。
まるで宙に浮いているみたいに
ふわふわとした感覚の空間の中で
じんわりと浮かび上がってきた情景。
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目の前で微笑む一人の女の子が
そっと俺の名前を呼ぶ。
──紫耀くん
懐かしい声の響き。
もういなくなったはずの、幼なじみの彼女。
蘇ってくる、いつの日かの記憶。
そう、これは……あの日の光景。
あのとき
俺に優しく笑いかけながら、彼女は言った。
──紫耀くんはずっと笑ってて
彼女が俺に最後に残した言葉。
ねぇ。 俺、ちゃんと笑ってたでしょ？
空の上から、ずっと見てくれてた？
彼女は微笑んだまま
それ以上、何も応えてはくれない。
俺、どうなるの？
もしかしてもう死んじゃってるとか？
だから迎えに来てくれたの？
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あの瞬間。
Aちゃんに迫っていたものを目にしたと同時に
咄嗟に体が動いて飛び込んだ先。
すべてが弾かれたような感覚の中で
Aちゃんを助けようと必死で守った
あの小さな体の温もりが今も残っている。
ずっとAちゃんを傷つけてばかりだった俺は
少しでも君の為になれたかな？
本当は、もう一度会いたい。
本当は、もっと一緒にいたい。
本当は、これから先もずっと隣で笑っていてほしい。
誰よりも近くで、君を守りたい。
自信がなかった。
できるだけ一人で生きようとしてきた。
でもどうしたって好きなものは好きで
大切なものは大切で、手放したくなくて。
俺はどうすればいい？
ここから抜け出すには、どうしたらいい？
知ってるなら、教えてよ。
必死に手を伸ばしても届かない
だんだんと遠ざかっていく彼女の残像。
待って。
夢の中だとわかっているのに
どうしようもなく苦しく胸が締めつけられる。
一人残された暗闇。
醒めない夢の中で
見えない何かを求めて、もがき続けた。
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──紫耀くん
どこか遠くから聞こえた小さな声。
さっきまでの彼女のものとは違う
だけど確かに俺の知っている声が
初めての音を響かせて耳に届いた気がした。
ふと見上げれば、今まで何度も目にしたような
この闇をすべてを切り裂くような光芒が差し込む。
やわらかくて、あたたかい
その眩しい光の先に見えるのは──
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7日目の蝉(プロフ) - lemon09さん» lemon09さんコメントありがとうございます！めちゃくちゃ嬉しいです…！そう言ってくださる方がいて本当によかったです。読んでくださってありがとうございました！ (2020年12月10日 22時) (
レス) id: 8841233121 (このIDを非表示/違反報告)
lemon09(プロフ) - 急に終わってしまって寂しくなっちゃいました（笑）でも面白かったです、お疲れ様でした。 (2020年12月9日 4時) (レス) id: 2975f730a7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：N | 作成日時：2020年3月12日 1時
