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#memory.31 ページ31

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……この状況は何？

前の席の椅子を跨いで体ごとこちらに向け

私の机に腕をついて

じーっとみつめてくる目の前の神宮寺に

冷たい視線を送る。

神「だーかーらーぁ、花火大会行こうぜって！」

朝からずっとこればっか。

もう間近に迫った夏休み入ってすぐにある

毎年恒例の市の大きな花火大会に

なぜか一緒に行こうと言いだした。

「誰が寂しくて

あんたと行かなきゃなんないのよ」

自称なのか、誰かがつけたのかわからない

＂国民的彼氏＂という謎の称号を持つ彼は

その名の通りそれなりに女子に人気だ。

その辺の女の子を捕まえて行くか

なんなら当日、浴衣着たかわいい女の子を

ナンパでもしてそうだけど。

神「俺と行けるなんて喜ばない女子いないよ？」

不思議なまでにナルシストチックな神宮寺は

しょっちゅう合コンに行ってる割に

彼女がいるのをみたことがない。

「そろそろまともに彼女でもつくって

その子と行ったら？」

神「俺はみんなの彼氏なの！」

「私の彼氏ではない」

そもそもなんで私なの？

頑なに拒否し続ける私に

ずっと不服そうな顔をしていた神宮寺が

いたずらっぽくニヤッと笑った。

神「紫耀も一緒ならどう？」

「ふぇっ！？」

突然出されたその名前に、思わず変な声が出た。

「ななななんで平野くん！？」

神「わっかりやす！

まぁいいや、紫耀がいればいいのね？」

そんなの、嫌なわけない。

肯定もしなければ否定もしない私をみて

神「はい、決まり～。じゃあよろしく！」

私の肩をポンと叩いて立ち上がった神宮寺は

なんだか楽しそうにそのまま教室を出て行った。

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