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#memory.12 ページ12

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そんな日々が続いていた

ある日の学校からの帰り道。

しばらく歩くと見えてくる住宅街。

その一角にある

木々に囲まれて、昼間でも薄暗いその公園は

家へと続く近道になっていて

いつもそこを通るのがあたりまえだった。

公園の少し手前まできたとき

同じ学校の制服を着た女子生徒が数人

ブランコを囲む低い柵に

もたれかかるようにして立っているのがみえた。

少し躊躇したものの、特に避ける理由もなくて

公園に足を踏み入れる。

その瞬間、それを待っていたかのように

彼女達は視線を送り合うと

ズカズカとこちらに近づいてきて

私の目の前に立ちはだかった。

「な、なんでしょう…」

恐る恐る顔を上げると

みたことあるような、ないような顔が並んでいる。

そして、彼女達が作り出すただならぬ雰囲気に

なんとなく、察する。

「あのさぁ。あんた、紫耀くんのなに？」

「なんで一緒にいんの？」

「いろいろ勘違いしないでくれる？」

ああ。こういうの、ほんとにあるんだ。

嫌だなぁ。めんどくさいなぁ。

「べつに、平野くんのなに、ってわけじゃないし

勘違いもしてないし…」

なるべく顔を見ないように

視線を下に向けながら答えると

チッ、と舌打ちが聞こえた。

「だったらさぁ！！！」

突如放たれた一段と大きな声に

思わず体がビクッと震えたとき

『あれっ？A？』

もう随分聞き慣れた

だけど久しぶりに耳にする、少し懐かしいその響きに

咄嗟に声のした方へと振り返る。

『お～！やっぱりAやん！

なんや自分ら、こんなとこでなにしとんの？』

甲高い関西弁を放ちながら

左手で握ったスクールバックをだるそうに肩にかけ

見慣れない他校の制服を着こなした廉が

こちらをみつめて立っていた。

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