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『えっと、ココアと、』
目当ての店員さんが見当たらなくて
キョロキョロ見渡せば
「ココアと？」
ってニヤニヤしながら聞いて来る彼は田中さん。
『あの、松村さんって』
「ははっ」
やっぱりね！なんて言う田中さん。
雨宿りをこのカフェでした日、
わたしは最も簡単に恋に落ちた。
恋ってどうやるんだっけとか、
好きってなんだっけとか、
そんなことばかり考えてたのに。
それ以来、ここに通っては
松村さんを拝んでる。
名前は名札を見てばっちり覚えた。
「北斗、今休憩中」
『え、休憩、』
「あと15分くらいで戻るよ」
『あ、よかった』
そう言えばまた笑って
「ほんと好きだよね」
って田中さん。
通う内に仲良くなって、
「Aちゃんって北斗のこと好きだよね」
ってすぐにバレた。
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作者名：moco | 作成日時：2021年2月24日 0時
