寝起き ページ33
「じゃ、おやすみ。」
「うん…おやすみ。」
また、君と二人並んでベッドに沈んだ。
昨日よりも君に触れている身体の面積が大きい気がするのは、僕の勘違いだろうか。
まぁ、そんなことはどちらだっていい。
僕は君に余計な手出しはしないし、大袈裟に意識して君から身を引いたりもしない。
ただ自然に身を任せて、こっそりとこの温度に触れていたい。
「野坂くん！起きて！」
翌朝、君は本当に早起きに成功したらしい。
6時にセットしたアラームが僕の耳に届くよりも前に、君の生き生きとした声が飛び込んできた。
「…早いね。」
「あれっ野坂くんって寝起きいいんだね。」
「君の寝起きが悪いだけでしょ。」
「うるさいなぁ、ほら準備！早く行こ！」
君に無理やり布団を剥がされ、手を引っ張られて上体を起こされる。
いまいちまだ頭が働かなくて、自分の腰元に集まる服のシワをぼんやりと見つめていた。
「の…野坂くんって、細いね。」
それは、貶しているのだろうか。
それとも褒めているのだろうか。
どちらが正解なのか分からないまま、引き続きその目線を袖捲りしている僕の腕に移して彼女は言った。
「でも腕は、やっぱり男の子なんだね…。」
“やっぱり男の子”とは、どういう意図だろうか。
ひょっとして、僕のことを女だと思っていたのか。
それとも、僕の体の細さが女みたいだと言いたいのだろうか。
「どういうこと？」
「えっ、あ…いや、何でもない、です。」
体を起こしたまま、目の前から動かない彼女の腕を何となく触った。
それは目で見るよりも細くて、少し力を加えれば折れてしまうんじゃないかと思うほど細かった。
僕のこのシャツを着て同じように腕まくりしたら、袖は止まらずにスルリと落ちてしまうだろう。
なるほど、君の言わんとしたことを何となく理解できた気がする。
「君の腕は、やっぱり女の子だね。」
さっきのセリフをそのまま真似しただけだというのに、何故か君は恥ずかしそうに俯いた。
全くもって、相変わらず不思議な人だ。
やっと、瞼の上に図々しく乗っかっていた眠気が消えてきた。
そろそろ準備をするとしようか。
「そこ、どいてくれる？」
「あ…うん。」
さっきまでの君はどこへ行ったのやら、
君は僕の言葉になぜか硬直しているようだった。
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もちまる。(プロフ) - すずさん» すずさん、コメントありがとうございます！感動して頂いたようで何よりです。応援ありがとうございます！ご期待に添えるようこれからも頑張っていきますね！ (2019年8月11日 20時) (
レス) id: 03d75cb96c (このIDを非表示/違反報告)
すず(プロフ) - 今この作品を見終わったのですが、とっても感動致しました。野坂くんも過去に戻ってしまうというところがこんな展開他にはないな、という感動を覚えました。更新、頑張ってください！これからも応援させて頂きます！ (2019年8月10日 0時) (レス) id: b95394d06b (このIDを非表示/違反報告)
もちまる。(プロフ) - おみかんさん» おみかんさん、コメントありがとうございます！そんなことを言って頂けて、ほんっとうに嬉しいです。応援ありがとうございます！今後も頑張っていきますので、完結までお付き合い頂ければ幸いです！ (2019年8月5日 9時) (レス) id: 03d75cb96c (このIDを非表示/違反報告)
もちまる。(プロフ) - 姫菜さん» 姫菜さん、コメントありがとうございます！作品に入り込んでいただけだようで、とても嬉しいです。深くこの小説をお読み頂き、本当にありがとうございます！今後も是非楽しんでいただければ幸いです。更新頑張ります！ (2019年8月5日 9時) (レス) id: 03d75cb96c (このIDを非表示/違反報告)
もちまる。(プロフ) - めりさん» めりさん、コメントありがとうございます！前作から読んで頂いているんですね…！とっても嬉しいです。私も大好きいいいいいいこれからも是非お読みいただければ嬉しいです！！！！笑 (2019年8月5日 9時) (レス) id: 03d75cb96c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もちまる。 | 作成日時：2019年8月1日 21時
