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君のこと ページ26

この間だって僕は丸きり同じことをしたというのに、こうも心拍数が上昇するのは何故なのだろうか。


「おいで。」


「はっ…はい…!」


君と並んで眠ってみて、分かったことがある。


君の温度に触れていられる夜は、僕は怖さに震える必要がないということだ。


グリッド・オメガの詳細をコーチに指示された夜、僕は震えが止まらなくなった。
何も大袈裟なことではなく、自分が人を殺す日が来るのではないかとすら思ってしまうほどだったからだ。


だけど僕はやるしかなかった。


オーナーが莫大な資金や時間を費やして開発したアレスシステムによって、最も優秀に完成してしまった僕は
システムの素晴らしさを世に伝えるための駒として、世間の反論や偏見と戦うことを余儀なくされた。


フットボールフロンティアが近づいても成功しないタクティクスや陣形もあったし、


パスの連携すらうまく取れていないメンバーに声を荒げることも多々あった。


それほど僕は追い詰められていたんだ。


でもそんな時に、君は現れた。


君のくれたたった一粒のチョコレートで、僕はギリギリの精神状態を保っていられた。


「明日、何時に起きる?」


だから、僕の精神は今君に依存していて
君の温度が、唯一僕を恐怖や責任から解放してくれるものなんだ。


「7時くらい…かな。」


だけど、その元凶であるサッカーにももう別れを告げたのだ。
オーナーやコーチにどう言われるかは分からないが、二ヶ月間くらい僕を自由にさせてほしい。


「分かった。僕の携帯でアラームは設定しておくよ。」


「ほんと?ありがとう!」


君は明日、ちゃんと起きるだろうか。


僕は君といて恐怖から解放されていたけれど
君はそんなこともなかったらしい。


真夜中に夢にうなされ、過呼吸を引き起こした君に
僕はこの身体が引きちぎれるような思いだった。


何がそんなにも君を苦しめているのかと考えたら、余命半年と宣告されたその病気くらいしかないだろうとは思ったけれど
本当は間近に迫る自分の死に怯えていたんだな。


どれほど辛かったことだろう。


僕には想像ができない。


「ねぇ、野坂くん。」


肩と肩が触れていた。
君はやっぱり、温かかった。


「何?」


「野坂くんって、あったかいね。」


こんな僕のことを、また今日も「温かい」と言うのだから、君は不思議だ。

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もちまる。(プロフ) - すずさん» すずさん、コメントありがとうございます!感動して頂いたようで何よりです。応援ありがとうございます!ご期待に添えるようこれからも頑張っていきますね! (8月11日 20時) (レス) id: 03d75cb96c (このIDを非表示/違反報告)
すず(プロフ) - 今この作品を見終わったのですが、とっても感動致しました。野坂くんも過去に戻ってしまうというところがこんな展開他にはないな、という感動を覚えました。更新、頑張ってください!これからも応援させて頂きます! (8月10日 0時) (レス) id: b95394d06b (このIDを非表示/違反報告)
もちまる。(プロフ) - おみかんさん» おみかんさん、コメントありがとうございます!そんなことを言って頂けて、ほんっとうに嬉しいです。応援ありがとうございます!今後も頑張っていきますので、完結までお付き合い頂ければ幸いです! (8月5日 9時) (レス) id: 03d75cb96c (このIDを非表示/違反報告)
もちまる。(プロフ) - 姫菜さん» 姫菜さん、コメントありがとうございます!作品に入り込んでいただけだようで、とても嬉しいです。深くこの小説をお読み頂き、本当にありがとうございます!今後も是非楽しんでいただければ幸いです。更新頑張ります! (8月5日 9時) (レス) id: 03d75cb96c (このIDを非表示/違反報告)
もちまる。(プロフ) - めりさん» めりさん、コメントありがとうございます!前作から読んで頂いているんですね…!とっても嬉しいです。私も大好きいいいいいいこれからも是非お読みいただければ嬉しいです!!!!笑 (8月5日 9時) (レス) id: 03d75cb96c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:もちまる。 | 作成日時:2019年8月1日 21時

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