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「棘くん棘くん」
今日の授業が終わり、それぞれ寮に戻る支度をしていると、狗巻に花宮が話しかけた。
名前を呼ばれて、不思議そうに首を傾げる狗巻。
「今からちょっとデートしませんか!」
「しゃけ。
…………デート!?!?」
花宮からの誘いに、とりあえずOKを出すが、"デート"というワードに後から気付いて思わず普通に聞き返す狗巻。
それを聞いていた禪院とパンダは後ろで必死に笑いを堪えている。
「そう!あのね、五条先生に聞いたんだけど、恵くんの他に1年生が2人入ってくるんだって!
……あ、1人はもう来てるんだったかな?
だから、何かプレゼント用意したいな〜と思って。
一緒に選びに来てくれないかな…?」
「それ、デートではないだろ」
「えっ?でもパンダくんが、男女二人で出かけるのはデートだって……」
「パンダ、お前またAに要らないこと吹き込んでんじゃねぇよ」
「Aは純粋だからからかい甲斐があって」
禪院とパンダの会話についていけず、頭に"?"を浮かべている花宮。
「じゃあ、デートじゃないってこと?」
「デートはラブラブな二人で出かけることだな。
A、嘘ついてすまん」
"ラブラブ……"とパンダが言った言葉を反芻する花宮。
すると、じわっと頬を紅く染めて狗巻の方へ向き直す。
「ごっごめんね、棘くん!私勘違いしてたみたいで……!」
「高菜ぁ………」
珍しく照れている花宮の様子に、つられて狗巻も顔を真っ赤にさせ、その顔を手で覆った。
まるで恋愛ドラマのような甘酸っぱい雰囲気をぶち壊すかのように勢いよく教室のドアが開かれ、いかにも不審者のような見た目の教師が入ってくる。
「やっほー!揃ってるね!
今から恵と入ったばっかりの新入生連れて、3人目の1年生迎えに行くんだけど、みんなも来る〜?」
いつでも空気を読まないこの教師に、禪院は呆れた顔を見せた。
狗巻は、五条の誘いに「おかか」とだけ返し、花宮の腕を優しく握って教室を出る。
「あれ?僕なんか邪魔しちゃった?」
「今からデートなんだよ」
「あらま!それは申し訳ないことしたね〜!
じゃあ真希とパンダはどうする?」
「顔合わせなら、俺らも今度でいいわ」
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作者名:もち明太 | 作成日時:2021年1月30日 3時