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「!!」
狗巻がはっきりと"ありがとう"と言ってくれたことに、花宮は心があたたかくなった。
ニコニコと頬を緩ませる花宮、座りながら俯いている狗巻。
照れる狗巻を面白そうに見ていた禪院が、ふと誰かの視線に気づき、教室の扉の方へ目を向ける。
「……おい何やってんだ」
「あっやべ」
「あ、パンダくんと憂太くんだ」
「あはは……」
パンダと乙骨は扉からこっそり中の様子を覗いていた。
(乙骨はパンダに強制連行されたが)
禪院に気づかれた2人は、大人しく輪の中に入る。
「いやな、普通に教室入ろうとしたら面白そうなもんが見えたからさぁ」
「い、一応止めたんだけど…ごめんね」
「まあ気持ちはわかるけどな」
「面白そうなものって……?」
自分たちを差し置いて盛り上がる3人に、花宮は首を傾げる。
「バレンタインなんて面白いイベント、俺が見逃すわけないだろ?
呪術師にはな、ラブが足りないんだよ」
「らぶ……」
この場にいる誰よりも狗巻と花宮にくっついて欲しいと思っているパンダ。
恋愛に疎い花宮にパンダの言葉はピンと来ていない様子。
なお、狗巻は話を振って欲しくないのか、机に突っ伏している。
「あ!そうそう、パンダくんと憂太くんの分もあるよ〜」
"はいっ"とそれぞれに小包を渡す花宮。
「わ、ありがとうAちゃん」
「おー、ありがとな
…………ごめんな棘、俺たちも貰っちゃったわ」
「…………」
狗巻は突っ伏しながら、チラリと視線だけパンダに送る。
わかってはいても、そう、わかってはいても内心結構残念な気持ちはある狗巻。
「でもAの人生初、男へのバレンタインは棘だもんな」
「そうなの!私も男の子にバレンタイン渡す日が来るとは思ってなかったなぁ
初めて渡す相手が棘くんでよかった」
__ガタッ
「うおっ、急に動くなよ棘」
「こ、こんぶ……」
花宮の何気なく言った一言が狗巻へヒット。
ビクッと方が揺れるのと同時に膝を机の脚にぶつけてしまった様子。
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作者名:もち明太 | 作成日時:2021年1月30日 3時