▼STORY:4―Valentine特別編 ページ16
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「あ、みてみてこれ懐かしい!」
昼休みの教室。
花宮がスマホの画像フォルダを何気なく漁っていると、1年生の頃の写真を見つけ、禪院たちに見せる。
「おー、こうして見ると結構変わったよな俺ら」
「いやお前は大して変わってねぇだろ」
「しゃけしゃけ」
花宮が見せた写真は、乙骨が編入してから暫く経ち、花宮も乙骨に慣れて来た頃に何気なく全員で撮ったものだった。
「やー、憂太くんも海外に行ってから変わったかな?」
「金髪になって帰ってきたりして」
「え!?憂太くんの金髪!?見たい!」
「金髪って柄じゃねーだろ」
禪院がツッコミを入れるも花宮とパンダには届いておらず、勝手に話は膨らんで、2人の間には金髪・カラコン・タトゥー・オールバックの乙骨が出来上がっていた。
「あっはははは!タトゥーで帰ってきて温泉に入店拒否される憂太くん見たくないよ〜!!」
「憂太の風評被害えぐいな」
「あ、他の写真も色々あるよ!」
"懐かしいねぇ"と画面を横にスライドして写真を流し見る。
すると、花宮はある写真でピタリと動きを止めた。
「これ……なんの時の写真だっけ?」
「どれどれ」
パンダが花宮の画面を覗き込み、その写真を見るなりニヤリと笑った。
「あー、これはアレだな。
"バレンタイン"の時のやつ」
パンダがわざとらしく"バレンタイン"を強調して言うと、狗巻がピシリと固まった。
「あぁ、"バレンタイン"な。"バレンタイン"」
「懐かしいなぁ、"バレンタイン"」
「おっ、おかか!」
オモチャを見つけたかのように"バレンタイン"を連呼する禪院とパンダ。
"やめろ"と言わんばかりにパンダをげしげしと叩く狗巻。
半年弱前のバレンタイン。
花宮にとっては初めて男子にも用意したバレンタインであり、狗巻にとっては初めて想い人から貰ったバレンタインであった。
「いやぁ、あの時の棘可愛かったな」
「おかか!!」
「あぁ、そうだな」
「お!か!か!」
早く話題を変えたい狗巻だが、そう上手くはいきそうにない。
そして花宮は当時のことを思い返していた。
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作者名:もち明太 | 作成日時:2021年1月30日 3時