. ページ14
.
＿＿ドンドンドンッ
「高菜！高菜ぁ！」
全力で花宮の部屋の前まで走ってきた狗巻。
相変わらず顔を青白くさせながら花宮の部屋の扉を叩く。
「……い、いくら……」
なかなか応答がなく、今度こそ何かあったのかと不安を募らせる。
朝に引き続き、申し訳ない気持ちを抱えながら部屋に押し入ろうと考えるが、中から物音が聞こえた。
狗巻は咄嗟にドアノブに掛けた手を引っ込める。
＿＿ガチャ、
「あ、あれ……？棘くん？
ごめんね、出るの遅くなっちゃって。
さっきご飯食べてたんだけど、お水服に零しちゃったから着替えてたの」
そう言った花宮の服装をチラリと伺う狗巻。
確かに、朝とは違う寝巻きに変わっている。
それを確認すると同時に狗巻は心底ほっとした。
あのまま扉を開けていたら、花宮が着替えているところに遭遇していたからだ。
「それより、どうしたの……？まだ学校の時間でしょ……？」
「明太子……」
狗巻は口で説明出来ない為、スマホのメモに素早く文字を打ち込んでいく。
『Aが真希に変なメッセージ送ってたから、』
『何かあったんじゃないかと思った』
『驚かせてごめん』
字面から分かる、狗巻の優しさに花宮は温かい気持ちになる。
……と、同時に自分が禪院に何か変なメッセージを送った覚えがなく、首を傾げた。
「私、真希ちゃんには"あとでお見舞い来て"って送ったんだけど……
ありゃ、なんだこれ……」
花宮は自分の送った文字を見直して、更に頭に"？"を浮かべた。
「お前、キーボードんとこアルファベットになってるだろ。ちゃんと確認してから送れ馬鹿」
「真希ちゃん！」
「俺も来ちゃった」
「パンダくんも！」
狗巻より遅れて到着したクラスメイトの姿に、花宮は少し嬉しそうに顔を綻ばせた。
「え、でもなんで……？みんな学校は？」
「棘が何も考えずにAの部屋まで走って行ったから、様子見てくるって言ってきた。
次の時間の受け持ち悟だったし、"僕も仕事減るし助かるよ〜、行っておいで〜"ってさ。」
相変わらず適当な五条に、花宮は苦笑いを浮かべる。
「つーかお前、もう元気じゃねーか」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 3705人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：もち明太 | 作成日時：2021年1月30日 3時
