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ガラガラ、と教室のドアを野薔薇ちゃんが開ける。
「釘崎、A、おはー!」
「おはよ」
「おはよー、悠仁」
今日も悠仁の挨拶から学校が始まる。
いつも元気をありがとう。
「(よっよし、)」
恵くんにいつも通り挨拶、そして今日は少しだけ会話をしてみたいと思う。
自然に、野薔薇ちゃんや悠仁に話すみたいに、
「おっ、おはよう」
「ん、はよ」
ん〜!!かっこいい……好き…しんどい……
いつもならこれで終わりだけど、今日はもうちょっと頑張る。頑張るよ。
「あ、あの」
「…?」
「えーっと……」
「…………」
あ〜〜〜!どうしよう!最悪!
さっきまでの意気込みは何だったのかと言いたいくらい頭が回らない。
自分から声を掛けた以上、何か言わないと不自然だ。いやもうすでに不自然なんだけど……!
「(のっ野薔薇ちゃん助けて……)」
恵くんの前でダラダラと冷や汗を垂らしながら、かつ笑顔のまま無言で突っ立っているこの状況をどうにかしてくれと心の中で野薔薇ちゃんを呼ぶ。
恵くん困るよね、ごめんね、
いつもはうるさい悠仁も、私たちの異様な空気を感じ取ったのか静かにこちらを見ている。悠仁助けてよ
「それ」
「はっ…はい?」
人生終わったような気分で突っ立っていると、恵くんが私のヘアピンを指さしながら小さく声を発した。
「似合ってる」
「ひぇっ…………」
全く予想もしてなかった恵くんからのお褒めの言葉に、気持ちの悪い声が出てしまい、バッと口元を手で覆う。
「ぁ、ありがとう……」
恵くんに言われた言葉に、嬉しさやら恥ずかしさやらで顔が真っ赤になるのが自分でもわかった。
恵くんはそんな私を見ると、少しだけ笑って、また自分のスマホに視線を戻した。
「おはよう僕の可愛い生徒たちー!……あれ?なに?Aどったの?」
「い、いえ」
「そう?あ、そうだみんな聞いてよー、昨日伊地知がさぁ〜__」
いつも通り始まる五条先生の割とどうでもいい話。
いつもと違うのは、今日はちょっと幸せだということ。
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肉じゃが - なぜだ…恵推しじゃないのにこの小説が神様に見えてきた… (8月15日 18時) (レス) @page34 id: 42198287f0 (このIDを非表示/違反報告)
吹雪 - アイラブメグミイイイイイイイイイイイイイイイイイ 投稿頑張ってください!応援してます!この作品めっちゃ好きなので!ニヤニヤが本気で止まらないです!!!いいなぁ夢主ちゃん。私も恵君に可愛いって言われたいよーーーー😭 (2022年8月30日 17時) (レス) @page23 id: ad117a8b13 (このIDを非表示/違反報告)
伊織 - あぁぁぁぁぁぁ!恵君かっこいい!私の顔今真っ赤です!今後も頑張ってください! (2022年1月8日 15時) (レス) @page34 id: 634c848308 (このIDを非表示/違反報告)
シーエル目つぶし(プロフ) - やばいニヤけが止まらない、、!w (2021年7月9日 16時) (レス) id: 7ab4427546 (このIDを非表示/違反報告)
鈴神(プロフ) - もち明太さん» ありがとうございます〜!!よろしくお願いしますっ! (2021年2月17日 19時) (レス) id: ed116a4644 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もち明太 | 作成日時:2021年1月16日 17時